長年に渡り台湾での英語教育の普及に尽力してきた英語教育会社「空中英語教室(Studio Classroom)」の創始者、ドリス・ブロアム(Doris Brougham/彭蒙惠)さんが6日夜、亡くなりました。98歳でした。
この知らせを受け頼清徳・総統は、総統府の郭雅慧・報道官を通じて哀悼の意を表すとともに、台湾社会のために貢献してくれたブロアムさんに感謝の意を表しました。
頼・総統は、1962年に創設された「空中英語教室(Studio Classroom)」は台湾の人たちの世代を超えた共通の記憶となっていると話したほか、ブロアムさんも過去数十年に渡り、台湾のために国際舞台で声を上げ、社会のためにプラスのエネルギーをもたらしてくれたことに心からの感謝の意を表し、ブロアムさんが生涯をかけて投じた教育や台湾を愛する精神はこの土地で台湾の人たちと共に今後も育ち続けるだろうと語りました。
また、蔡英文・前総統も自身のフェイスブックで哀悼の意を表しました。
蔡・前総統は、昨年6月、自らの手でブロアムさんに台湾のパスポートを手渡し、真の台湾人になったことを歓迎したときのことを覚えていると記し、ブロアムさんがこの地に根を張り、70年以上に渡って、台湾に幸福をもたらすために台湾人の英語学習を支援してくれた。困難や課題に直面したとき、いつも多くの暖かさと励ましを与えてくれたと感謝を記しました。
この他、行政院(内閣)の卓栄泰・院長(首相)も7日、フェイスブックで哀悼の意を表しました。
卓・行政院長は、ブロアムさんは多くの台湾人の英語の道を開いた。彼女は台湾の英語教育の先駆者であるだけでなく、文化交流の使者でもあり、台湾が世界とつながるための橋を架けてくれた。ブロアムさんの死去は台湾の教育界の大きな損失である。しかし、彼女が残した精神的な富とモデルは永遠に私たちを励ましてくれるだろうと記しました。
ドリス・ブロアムさんは、1926年、アメリカのワシントン州シアトル市で生まれ、1951年にキリスト教の宣教師らと共に来台。宣教師が深刻に不足していた台湾東部・花蓮で奉仕することを選びました。
その際、台湾人の英語学習の必要性に着目し、ラジオ局の誘いを受け英語教育番組を始めると大反響となり、その後、3冊の英語学習雑誌の発行を開始。今日に至るまで台湾の3世代に英語を教えてきました。
そのため、台湾では「英語のゴッドマザー」と呼ばれています。
2002年には、長年に渡り、英語教育で台湾の国際化に貢献したとして「紫色大綬景星勳章」を受章。2023年6月には中華民国国籍を取得しました。
生まれ故郷であるシアトル市は2014年、4月2日を「ブロアムの日」と定め、彼女の生涯にわたる華人への卓越した貢献を称えています。
なお、ブロアムさんは生まれはアメリカ・シアトルですが、早くに台湾が自分の家であるとし、2003年に事前に遺言書を作成し、死後は火葬し、台湾北部‧新北市の淡水区のキリスト教墓地に埋葬することを選択しているということです。
(編集:中野理絵/許芳瑋/本村大資)