台湾の人と結婚した配偶者や移住者など、台湾の新住民の数が60万人に達しようとしており、新住民のケアや権利保障を全面的に引き上げるため、立法院(国会)は16日、第三読会で「新住民基本法」を可決しました。この法律の趣旨は憲法の多元文化の精神の保護を実現し、新住民の権利を保護し、我が国の社会に溶け込めるよう支援し、共存共栄のエスニシティ関係を確立することであり、内政部がその主管機関であると定めるものです。
この案件は、与野党議員が修正案を提出し、予備審査が終了した時点では、行政院(内閣)版はまだ提出されていなかったため、与野党は行政院版が立法院に送られ、審査を受けたあと、直接第二読会で統合し交渉すると合意していました。
行政院は6月21日に「新住民権益保障法」草案を提出、立法院の審議に送られました。
与野党団は事前の交渉により、当初、この法案の名称を「新住民権益保障法」とすることで合意に達し、内政部は立法院通過後1年以内に専門の第1レベル部門の「新住民司」を設立しなければならないという付帯決議も可決されましたが、その後、野党・台湾民衆党団が親中だと指摘されたことに不満を抱き、交渉妥結から署名を撤回していました。
立法院は16日、今期最後の本会議を召集し、「新住民基本法」を第三読会で可決しました。立法院の韓国瑜・院長(国会議長)は読会審査の結果、「決議案、新住民基本法が制定・可決された」と宣言しました。
法案名の討論の際、野党・国民党と台湾民衆党は共に「新住民基本法」という名称の使用を堅持し、与党・民進党団は「新住民権益保障法」との呼称を主張していましたが、最終的に野党の数的優位を生かして、正式に「新住民基本法」という名称となりました。
立法の精神、主管機関については、国民党団のものが可決され、民進党団の支持も獲得しましたが、台湾民衆党団は投票に参加しませんでした。
第三読会の条文では、憲法の多元文化の精神を実践し、新住民の基本的権益を保障し、共存共栄のエスニシティを確立するために、この法律を特別に制定し、法の管轄機関は内政部とすることが明確に定められています。
第三読会の条文では新住民の定義を拡大。台湾に居住するために台湾に来た各国からの結婚移民、専門職、技術移民、投資移民も含み、保障対象も新住民の子女にまで拡大します。
専門機関の設置方法については、国民党と台湾民衆党が共同で提出したものが可決されており、内政部は新住民事務を担当する中央三級行政機関を設置し、計画の調整、研究、新住民の就学、就職、人材育成の促進、多元的サービスに関する調整を行うとしています。
この専門機関設立に先立ち、行政院は本法関係事務を審議・調整するため、各事業主管機関のトップが必要に応じて省庁横断のトップ会議を召集することができ、各目的の管轄機関が処理を行うとしています。
なお、第三読会の条文規定では、政府は5年ごとに状況調査を行い、新住民発展基金を設置すべきであると明記されています。これにより、新住民とその子女および家族のケアとカウンセリングサービス、人材の訓練と育成、言語のバリアフリー環境、多元文化社会の構築を推進し、政府と民間のリソースの有効な統合が図れるとしています。
また、政府は新住民のケアサービスを実施し、その子女のサポートをすべきであると明記しており、新住民の労働権益、扶助措置の提供、言語通訳サービスおよび新住民への語学学習を奨励し、新住民の関係する研究と公共活動参加を促進させる。またメディアアクセス権に関しては、政府は各メディア事業に対して、新住民の言語や文化的なラジオ、テレビ番組や、映像、音声コンテンツの制作・放送を奨励し、補助金を提供すべきであると明記されています。
(編集:中野理絵/許芳瑋/本村大資)