台湾で対中国大陸事務を管轄する政府機関、大陸委員会(陸委会)が、中国、香港・マカオの渡航警戒レベルを4段階のうちの上から2番目である「オレンジ」に引き上げ、不要不急の渡航を避けるよう呼びかけています。
これについて、与党・民進党の沈伯洋・立法委員(国会議員)は、政府の方針は非常に正確なものであると考えている。現在、台湾の人々の中国への渡航はリスクが非常に高くなっていると語りました。
しかし最大野党・国民党の羅智強・立法委員は、政府が中国・香港・マカオの渡航警戒レベルを引き上げたことは、台湾を守るために中国に対抗する中で、反中国、中国憎悪を過激化させると懸念を示しました。
これは、中国が先ごろ、台湾独立主義者に最高で死刑を科すことも可能とする処罰の指針「22条の意見」を発表したことを受け、政府が行った対応について議論が巻き起こっているものです。
民進党の沈・立法委員は28日、立法院(国会)でインタビューを受けた際、中国が公布した新規定によると、台湾独立分子の定義は非常に広範囲であるため、国際法によれば政治犯の引き渡しはできないが、結局のところ中国はその他の国でまず詐欺名義で中国に引き渡し、その後政治犯と身分を変えたりしている。このようなことから、国民は中国へ向かうには注意が必要である。そして、中国と関係が深い国へも高い警戒が必要であると述べました。ただし、関係する警告は今後は大陸委員会ではなく、外交部が発表すると話しました。
民進党の沈・立法委員は、「渡航警戒レベルに関しては非常に正確な判断だ。やはり今は、中国へ向かうリスクは特に高くなっている。皆さんには、どこの国に向かうにも、仮に中国と引き渡し協定が結ばれていたとしたら、同様にリスクがあることを忘れないでほしい」と説明しました。
しかし、国民党の羅・立法委員は、中国が死刑を用いて台湾のいかなる政治主張者を脅迫することに反対する、中国が台湾海峡の中間線を越えて台湾周辺で軍事演習を行うことにも反対する。しかし、民進党の反対がこれらの事態の発生を阻止できないのと同様に、こうした反対は何の意味もないと述べました。
羅・立法委員はまた、台湾と中国の両岸の紛争は、国民をリスクの最前線に立たせるのではなく、コミュニケーションチャンネルを通して解決されるべきである。民進党は中国・香港・マカオへの渡航警戒レベル引き上げの影響を無視している。両岸の経済貿易交流の断絶を宣言した方がいいと批判。民進党は台湾を守るために中国と戦っているのではないのかと疑問を呈しました。
そして、「警報レベルを『オレンジ』にするかどうかは民進党にとって全く重要ではない。どうせ台湾を守るために中国に対抗するという薬を使っているだけだ。頼清徳・総統が5月20日に就任してからずっと、反中、中国憎悪を激化させる、このような状況だ。これは彼が権力を維持し続けるための唯一のカードで、台湾の国民がその代償を払うことができるかどうかが鍵である」と述べました。
また、野党・台湾民衆党の柯文哲・主席は28日、民衆党立法院団会議に出席した際のインタビューで、中国が「反台湾独立22条の意見」を出し、台湾はすぐに渡航警戒レベルを「オレンジ」に引き上げた。台湾と中国の両岸関係はどんどん悪くなっており、悪循環だ。解決方法を考えるべきであると述べました。
(編集:中野理絵/本村大資)