頼清徳・総統が20日の就任演説で台湾海峡両岸関係(台湾と中国)に言及、台湾と中国は互いに隷属していないと述べたことについて、台湾の両岸問題の専門家である、国立清華大学社会学研究所の陳明祺・副教授は、「態度が明確で実務を重んじる。対策もあれば節操も重視、完璧だ」と高く評価しました。
陳・副教授は、特に「中華民国と中華人民共和国が互いに隷属していない」部分を取り上げ、これは中華民国の憲政における実質的な運営の現況に立ち返ったことで、挑発行為ではないと説明、中国に対して「対等、尊厳が保たれる」原則の下、観光旅行と学位を取得するための中国の学生の台湾留学から民間レベルの交流を展開していくよう促したことも、善意の表れだと評価し、中国側が頼・総統と同じように善意を示すかどうかにかかわるとの見方を示しました。
開南大学国家および地域発展研究センターの陳文甲・主任は、頼・総統の両岸政策は蔡英文・前総統の主張を踏襲したものだが、より直接的、より実務を重んじていると見ています。
陳文甲・主任は、頼・総統と蔡・前総統の両岸問題に対する主張は似通ったところがある。両方ともに「四つの堅持」、台湾海峡の分離、分割統治という現状の維持、両岸関係の平和と安定への追求を強調しているが、頼・総統の主張はより直接的、より実務を重んじている。特に就任演説で国民に対して幻想を抱かないよう呼びかけたことと、台湾を併呑する中国の野望は消えないと明言したことだと例を挙げて説明しました。
台湾のシンクタンクである中国問題研究センターの呉瑟致・主任は、頼・総統は以前、自分のことを「実務を重んじる台湾独立ワーカー」と称していたが、総統のポストに立ち返ると、就任演説では逆に実務を重んじるというところが強調されていると分析しています。
呉瑟致・主任によりますと、これまで主権問題がタブー視されていましたが、頼・総統は就任演説の中ではっきりと主権を主張しました。頼・総統によれば、いわゆる「中華民国と中華人民共和国が互いに隷属していない」ということは憲政に立ち返っただけです。
両岸の現状を明言したことは挑発行為ではなく、現状に基づいていっただけです。台湾海峡の現状維持についてアメリカにもその最低限があるはずだということです。
呉瑟致・主任は、現在国際社会では中国と安全距離を保ちながら関係を維持することが協調される中、台湾は中国と全面的で公式な交流を展開するのは難しく、特にここ数年、両岸間の公式な交流がほとんど中断している。それを迅速に再開するには事実上の制限がある。しかし、民間レベルの交流はある程度、突破することができるかもしれない。それは中国側も善意を示すかどうかにかかわるとの見方を示しました。
(編集:王淑卿/岩口敬子/本村大資)