法務部の蔡清祥・部長は台湾の大手日刊紙「自由時報」のインタビューで、台湾の近年行われた複数回の選挙で、金銭や暴力を用いた手段での選挙介入のほか、域外勢力や偽情報、賭博などの手段も用いられていると指摘。
蔡・部長は、過去に見られた台湾企業関係者(台商)からの資金援助、廟などの慈善活動、マーケティングと称しインフルエンサーを使った地下銀行、仮装通貨などの手段のほか、今年は境外勢力による新たな選挙介入が検察によって確認されている。例えば、村長、里長または特定の人物が人々を中国大陸への旅行に招待し、その中には旅行費用が市場価格と明らかに異なるもの、旅行から帰った際に旅費が返却されるもの、さらには旅行中に参加者に対し、特定の候補者への支持を要求するものなどで、このような旅行や接待による選挙への介入は、明らかな選挙買収の手口だと述べました。
蔡・部長はこのほか、これまで検察は、国内の特定のグループが域外勢力から資金援助を受け、日ごろから親中思想を一般に広めていたり、選挙期間中に偽情報を利用し身近な人に特定の候補者を支持するように仕向けたり、あるいは域外勢力がインフルエンサーのライブ配信を通じて偽情報や偽の写真を拡散しているのをしばしば発見してきたが、最近では世論調査と学者を組み合わせた新たな手法も確認されていると指摘。
蔡・部長は「最近は、偽の世論調査で人々に誤解を与えるものや、中には調査に対する人々の信頼度を上げるために、学者と組んで偽の世論調査の拡散力アップを図り、選挙に影響を与えようとするものもある」と、このように話しています。
蔡・部長は、現在、検察署、法務部調査局、法務部廉政署、警察および移民署などの機関が一体となり、地方検察署を核とした贈収賄・暴力対策チームを発足させると同時に、刻々と変化する犯罪の手口に対応するため、検察は部門を横断して、新興テクノロジーを捜査に活用する準備も積極的に進めている。偽情報については、官民共同での防止メカニズムを活用し、速やかに停止、削除することで偽情報の拡散や選挙への干渉を防いでいると強調しました。
蔡・部長はさらに、統計によると、これまでに選挙妨害の調査案件は2,400件以上となっており、そのうちおよそ160件が域外からの選挙介入、およそ77件が反浸透法違反だと指摘。また、国民に対し、旅行や接待、会食の招待など、身に覚えのない誘いを受ける場合は特に気を付けなければならない。もし接待を受け、その過程で特定の候補者への支持を約束したりすれば、法律違反となる可能性があると注意を呼びかけました。
また、虚偽の選挙メッセージだと知りながら、それを拡散した場合、公職人員選挙罷免法の中の、意図的に選挙を妨害したとみなされる恐れがあると述べました。
(編集:本村大資/中野理絵)