第78回国連総会が9月5日からアメリカのニューヨークで開かれます。イタリアのメディア「Le Formiche」は26日、中華民国(台湾)外交部(=外務省)の呉釗燮・部長(=外相)からの投書を掲載しました。呉・外交部長は投書の中で、国際社会に対して「台湾を国連体系に入れるよう」呼びかけています。呉・部長は、みなが団結すれば、台湾がさらに強大になるとし、今こそ、台湾をこの枠組みに入れるのに最適のタイミングだと訴えています。
呉・外交部長は投書の中で、「ロシアによるウクライナ侵攻は、我々に独裁政権は死亡と破壊をもたらすことを気にしないことを教えてくれた。戦争は人権を侵害しており、しかも、『国連憲章』に掲げられている、国際的な紛争の平和解決という原則に違反している。」と指摘しました。
呉・外交部長は、「台湾は2300万人以上の人口を持つ民主主義国家だ。台湾を代表して中国からの大きな挑戦に向き合うことを誇りに思っている。20世紀半ば以降、一度たりとも台湾を統治したことのない、中華人民共和国は、台湾を支配しようとすることと、台湾への武力行使を放棄しないことを再三明言している。過去数十年、台湾の人々は、常に冷静な態度で台湾海峡の平和と安定といった現状の維持に努めている。」と説明しました。
呉・外交部長はまた、しかし、経済力と軍事力の増強につれ、中国は軍事力で台湾を威嚇し、我々の民主的な生活方式を脅かそうとしていると指摘、具体的な例として軍機と軍艦を派遣して台湾海峡の中間線を越え、台湾の防空識別圏に侵入したこと、偽情報の拡散や経済的な威圧行為を行うなど、グレーゾーン戦略を強化し、台湾の人々の戦闘意欲を失わせようとしていることを挙げています。
呉・外交部長はさらに、中国の拡張主義は台湾にとどまらず、東シナ海と南シナ海でもグレーゾーン作戦を展開し、勢力の拡張を図ると共に、領土に対する主張を再確認していると指摘しています。中国は南太平洋に位置するソロモン諸島と、安全協定を締結したほか、インド洋でも軍事用途の港湾の確保に乗り出しました。これらの行動を受け、今後の平和の維持を懸念する声が高まっています。
呉・外交部長によりますと、全世界の半分ぐらいのコンテナ船が毎日、台湾海峡を通過しています。台湾は全世界の大多数の半導体を生産しており、グローバル・サプライチェーンの中で重要な役割を果たしています。台湾が衝突に巻き込まれれば、全世界の経済に恐ろしい結果をもたらすことになります。台湾海峡の平和と安定の確保は各方面の利益に合致しています。
ここ数年、複数の二国間会談と多国間会談で、全世界の安全保障に対する台湾海峡の平和と安定の重要性が確認されました。みな戦いを回避する必要性に合意しています。戦いを回避する最もいい方法は、包容、対話だ。最も重要なのは、団結だということです。
呉・外交部長は、国連は世界各国が対話を行うのに最適なプラットフォームだが、中国が国連第2758号決議案を誤って解釈したため、台湾は今も国連から排除されている。しかし、その決議案では、台湾は中華人民共和国の一部分だということを確認していない。中華人民共和国に国連、またはその他の専門機関で台湾を代表する権限も授与していない。その決議案は、誰が会員国中国の代表になるかを決定しただけだった。これは国際社会と中国が1971年に投票を行った後に認めた事実だと強調しました。
呉釗燮・外交部長は国連に対して、『誰一人取り残さない』原則に基づいて、台湾を全世界の協力が必要な議題の討論から排除することなく、台湾による国連体系への参加を認めるよう呼びかけています。
呉・外交部長は、台湾の人、または新聞記者が国連の関連会議に出席、またはそれを報道することを認め、持続可能な開発目標(SDGs)の関連会議とメカニズムへの台湾の有意義な参加を受け入れるよう促しています。