アメリカ・民主党のセス・モールトン(Seth Moulton)下院議員が先ごろ、「もし中国が台湾に侵攻したら、ファウンドリー世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)を爆破する」と発言し物議を醸していることに対し、外交部の吳釗燮・部長は10日、立法院 外交委員会でメディアからの質疑応答の際、「この種の異なる意見について、メディアの皆さんはしっかりと見極める必要がある。中国は我々に認知戦を進めていて、一部の人々が話した無関係な発言をまとめ、まるでそれがアメリカでは多くの人がTSMCを爆破するという考えを支持しているかのように一つのニュースとしている。」と述べました。
吳・部長は、「中国が名指ししたこれらの人をよく見て、その上でその人物がTSMCを爆破するという発言をしたと広めたとすると、きっと皆さんも一つの結論にたどりつく。これは、中国の台湾に対する認知戦だ。モールトン氏のこの発言の前後をよく見ると、質問された内容と全く異なる結論が得られると思う」と述べました。
モールトン氏のこの発言は2日、アメリカの経済シンクタンク「ミルケン・インスティチュート(Milken Institute)」が主催したフォーラムに出席した際、「抑止力として浮かんだ面白いアイデアは、中国対して、もし台湾を侵攻したら我々はTSMCを爆破するとはっきりとわからせることだ」と語ったものです。このことについてモールトン氏はただ思い浮かんだことを述べただけで、それが最適な戦略と言うわけではない、ただし、その後もたらす効果を考えることが重要だとし、「台湾の人々は当然、この考えは好まないだろう」と話しています。
このモールトン氏の発言はすぐに民主党のオバマ政権で国防政策を担当していたミシェル・フロノイ(Michele Flournoy)次官が遮り、「TSMCを爆破すれば、1年で2兆米ドルの世界経済への打撃があり、世界中の製造業が停止に陥る」と述べ、「これは悪いアイデアだ」と話していました。
また、国防部の邱國正・部長は8日の立法院でメディアの質疑応答の際、国軍は国家や国民あるいは戦略資源を守る責任がある。意図的に我が国の施設を爆破しようとするものは防衛の常識を逸脱しており、国軍はそのような事態の発生を絶対に許さないと述べています。
(編集:中野理絵/岩口敬子/王淑卿)