台北市にある現代美術館、台北当代芸術館(MOCA Taipei、Museum of Contemporary Art, Taipei)は5日より、《NEXUS-加勒比海地區錄像與新媒體藝術》(NEXUS - カリブ海地域におけるビデオと新メディアアート)という展覧会を開催しています。カリブ海地域の歴史や、彼らが直面している国境を超える労働、移民、気候変動、アイデンティティ、政治などのグローバルな問題などに初めて焦点を当て、同様の問題に直面している台湾と繋がり、異なる芸術的視点によって、互いにより多くの対話と理解をもたらすことを目指しているとのことです。
カリブ海と言えば、異国情緒を思い浮かぶ人が少なくないが、過去の歴史や現在のグローバル化がもたらした影響から見ると、台湾を含む多くの島国にとっても馴染み深い問題がカリブ海地域には存在しています。台北当代芸術館が主催する最新の展覧会、、《NEXUS-加勒比海地區錄像與新媒體藝術》(NEXUS - カリブ海地域におけるビデオと新メディアアート)は、このような関連性のある視点を伝えたいということです。
《NEXUS-加勒比海地區錄像與新媒體藝術》(NEXUS - カリブ海地域におけるビデオと新メディアアート)展示は、長年にわたり、カリブ海のおける問題を研究してきた、オランダ出身のキュレーター、サーシャ・ディース(Sasha Dees)氏が企画し、7人のアーティストによる6点の作品が展示されています。これらのアーティストたちはすべて、カリブ海の島国出身であります。そのうち、ハイチ、セントビンセント及びグレナディーン諸島は台湾の国交樹立国でもあります。一方、国民党と共産党をめぐる政権闘争「国共内戦」の時代には、広東や福建にいた中国人がやむを得ずにトリニダード・トバゴに移住した歴史もあるため、これらもサーシャ・ディース氏がキュレーションの過程で注目した、重要なつながりとなっています。
サーシャ・ディース氏は、台湾でカリブ海のアーティストの作品を紹介すれば、オランダがこの両地域を植民地として統治した歴史について言及することは避けられないと述べました。現在、カリブ海の国々が直面している、国境を超える労働者や移民、気候変動による環境問題、欧米や中国帝国主義がもたらした世界的な政治問題などについても、台湾人がよく知っていると信じている。この展覧会を通じて、台湾の観客に、地政学から反映された互いのつながり、また、これらの緊急性のあるグローバルな共通現状について考えてもらいたいと伝えました。
サーシャ・ディース氏は、「今回、私がカリブ海のアーティストを選ぶ際、その過程において台湾の観客にとって、アーティストがどのような役割を果たすことができるかどうか、台湾がどのような共鳴を得られるかを考えた。例えば、台湾の観客に、私が選んだ議題は自分とのつながりを考えてもらいたい。欧米列強の植民支配が世界にもたらした影響、また、国境を越える労働問題、気候変動、そして主権問題を含め、今回、討論する問題は少なくはない」と話しました。
展覧会では、多くのビデオ作品が衝撃的であり、そのうち、ハイチのアーティスト、マークサンス・デニス(Maksaens Denis)氏が創造した《我的夢》(私の夢)というビデオ作品が特にそうであります。その作品には、相互に衝突したクラシック音楽の曲調と銃声、現地における暴力、略奪、欲望の過去と現在を描いた映像があり、悲しみを感じます。
しかし、サーシャ・ディース氏は、短い期間で台湾を深く理解することは難しいため、自身のキュレーションについて、挑戦や疑問の提出を歓迎していると強調しました。
台北当代芸術館の駱麗真・館長は、今回の展示はMoCAが初めてカリブ海をテーマにしたものであり、遠い国のように見えるが、芸術言語を通して当地の異なる創作エネルギーを台湾の観客に伝えるとともに、同じ問題に直面している台湾にも、相互参照的な交流の視点を提供したいと述べました。
また、アーティストのソフィア・ガジャ・ムリエンテ氏と、ナタリア・ラサエ・モリオ氏が共同制作した《國內意義下的國外》(国内的な意味での外国)という作品は、国境を越える移民問題を探究しているとのことです。
(編集:許芳瑋/王淑卿)