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中国市民ジャーナリスト‧李澤華氏が武漢での新型コロナの取材体験語る

  • 10 March, 2023
  • 許 芳瑋
中国市民ジャーナリスト‧李澤華氏が武漢での新型コロナの取材体験語る
一時行方不明になった中国の市民ジャーナリストである李澤華氏は、「ジャーナリスト保護委員会」のインタビューを受けた。(写真:Li Zehua)

中国の市民ジャーナリストである李澤華氏は、中国・湖北省武漢市における新型コロナウイルスに関する状況を報道し、一時行方不明になりましたが、中国から逃亡した後、最近、アメリカのワシントンD.C.に拠点を置く、「ジャーナリスト保護委員会(Committee to Protect Journalists、CPJ)」のインタビューを受け、新型コロナウイルスの取材経験を語り、また、そのときの自分が、もっとできることがあり、より多くの事実を明らかにすることができればいいなあと述べました

2020年の初めに、ある新型呼吸器感染症に関連するウイルスが武漢で拡散するという報道が出始めたとき、独立市民ジャーナリスト数人が、急いで武漢に向かいました。中国の中央テレビの元アナウンサーである、李澤華さんもその中の一人でした。

李澤華さんは、武漢市の一部の市民をインタビューし、住民たちが新型コロナウイルスの真実について知らされていないことがわかりました。そして、コミュニティが突然に封鎖され、外地からきた労働者たちが仕事を見つけられなくなり、1200万人の住民がいるこの都市が低迷に陥りました。李さんはさらに、ウイルスの起源と疑われる武漢ウイルス研究所に入りました。李さんがこのすべてをインターネット上で公開したところ、中国共産党を怒らせました。

2020年2月26日のライブ配信中、公安人員が訪れ、李さんを警察署に連れ去りました。李さんが訊問を受け、「隔離」された後に、最終的に監視下で釈放されました。彼のチャンネルは約2ヶ月間閉鎖されました。

このような取材の経験を振り返り、李さんは、より良い準備とより良い設備があれば、中国が圧倒的な力で彼の口を塞ぐ前に、この百年に一度のパンデミックをより全面的に報道ができるはずだったと振り返りました。

記者の責任を果たす、変化をもたらすことに期待

李さんは、武漢に取材に行った理由について尋ねられた際、「ジャーナリストとしての責任を果たしたかった。かつて、私は自分自身をジャーナリストと呼んでいたが、本当のジャーナリストがすべきことは何もしていなかった。私は、この歴史的な出来事に参加しなければならない」と述べました。

李さんは、今回の任務で、基本的にやりたいことをやったと述べました。別の有名なジャーナリストやドキュメンタリープロデューサーであれば、武漢に長期滞在し、詳細な報道を制作するかもしれませんが、1人で赴いた李さんは、設備などの資源が限られたため、違う形でニュースを報道することや事実情報を集めることを選択しました。

自分が変化をもたらしたかどうかと尋ねられた李さんは、「少なくとも、私一人で報道を完成させた。しかも、情報を集めるため、情報のブラックホールの中で一人で取材した。...実は、中国共産党、政府側が私に接触することを期待していた」と述べました。

「ジャーナリスト保護委員会」から、現在、中国におけるメディアの自由度をどのように見るかと聞かれた李さんは、「自由もメディアもない。あるのは、宣伝だけだ」と答えました。

「中国にはメディア及び言論自由がない」と嘆く

李澤華さんは、「メディア及び言論の自由が多ければ多いほど、感染症の伝播は少なくなる。この感染症は科学的な問題だ。政治的要因を排除して科学的に議論することができるはずだった」と語りました。

また、ウイルスが武漢実験室から漏洩した可能性について、李さんは、「私は可能性が高いと思う。中国や北朝鮮のような政権では、すべての出来事と事件の情報には不明点が多すぎだから、政府が提供した情報は誰も信じない。このため、どちらかというと、私はウイルスが実験室から出てきたと信じるほうだ。」と答えました。

「自分がしたことについて後悔はありますか?」という質問に対し、李さんは、「私が残念に思うのは、十分な準備をしておらず、当局が何をしているかについてより多くの事実情報を公表していなかったことだ。もし、私がより十分に準備をしていたら、より大きな変化をもたらすことができたかもしれない。もしくは、情報の自由がいかに重要なことを、より多くの人々に伝えることができたかもしれない。」と述べました。

李さんは中国を離れることを許可されたことに驚きましたが、彼は、「これは官僚制度がどれだけ愚かなのかを示している。私が釈放された後、秘密警察が毎月数回私を監視した。時間が経つにつれて、彼らは毎月、私の両親を訪れる。彼らは、あなたのネットワーク、家族、そして周りのすべての人をどのようにコントロールするかを知っている。」と述べました。

帰国の機会はほぼないが、中国を変えるために努力し続ける

李さんは、「中国を離れる前、私の両親と親しい友人だけが私が何をしているか知っていた。私は低賃金の仕事で生計を立てているふりをしていた。警察官が私を見つけたとき、私は気が狂ったように振る舞って、以前のように完璧な普通話の代わりに、方言も話し始めた。私が永遠に海外に出ることができないと彼らに思わせるように、能力を失ったと偽装した。大使館からビザを取得した後、航空券を予約し、税関を通過して出国に成功した」と述べました。

未来に中国に帰るかどうかについて、李さんは「分からない。これは悲しいことでとても辛いことだ。私は何も罪を犯していないが、脅された。権威主義、独裁主義は、私のような人が戻ることをできなくする」と述べました。

アメリカでの将来の計画について、李さんは「私はロチェスター大学を卒業したばかりで、人工知能の実験室で働き、より多くの経験を得ようとしている。博士課程を申請するかもしれない。私は過去にやっていたようにではなく、実際的な方法で貢献したいと思っている。デジタル権威主義に対抗する方法を見つけたい」と語りました。

(編集:許芳瑋/中野理繪/王淑卿)

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