日本の駐台湾大使館に相当する、日本台湾交流協会の設立50周年記念祝賀会が台北市内のホテルで開催されました。日本台湾交流協会・台北事務所の泉裕泰・代表(=駐台大使)は挨拶の中で、日台双方の先人たちが苦労して築き上げ、お互いを思いやって育んできた信頼と友情の絆は世界に誇る堅牢なものだと述べ、互いに助け合う関係にあるものの、一方が滅びると、他の一方も危うくなるという例えの「唇亡びて歯寒し(中国語:唇亡歯寒)」という言葉で台日関係を形容しました。
日本台湾交流協会は1日夜、台北市内のホテルで設立50周年の記念祝賀会を開き、交流協会・台北事務所の泉裕泰・代表、行政院(=内閣)の沈榮津・副院長(=副大臣)、台湾の大手電機メーカー、東元集団の黃茂雄・会長が壇上で祝杯を挙げました。ステージには中華民国と日本の国旗が掲げられ、元立法院長(国会議長)の王金平氏、台湾側のカウンターパートである、台湾日本関係協会の邱義仁・前会長、総統府の李大維・秘書長らが出席しました。
泉・代表はスピーチの中で、「台湾は1990年前後から、民主化への階段を一歩ずつ着実に上り始め、権威主義の体制から抜け出し、今日の民主台湾を確立させ、世界から称賛を受けた。しかし、その一方で世界は『文明の衝突』とも称された2011年の911同時多発テロ事件が引き金になって、再び暴力と混沌が支配する状況へと引き戻された。今年に入っても、ロシアによるウクライナ侵攻、北朝鮮のミサイル発射、中国による台湾に対する軍事威嚇の増大など、世界中で緊張状態が続いている」と述べました。
泉・代表はまた、2019年の着任以来3年を経た現在、台湾が中国から経済、軍事的圧力を受けながらも、現状を維持していくためには、台湾の人々が台湾について自信と誇りを持つことでアイデンティティを強くしている。これは、何よりも重要なことだとの考えを示しました。
泉・代表は、3年前の就任当初は、国際社会において台湾の重要性を現在ほど感じていない国がヨーロッパにおいても数多くあり、例えば「台湾がなぜ重要なのか」という共通認識さえまだ出来上がっていなかった。 しかし、この3年間で、国際社会における台湾の重要性が飛躍的に高まり、また、台湾人が台湾人としての自信を深めていくのを目の当たりにしてきたと振り返りました。
泉・代表はスピーチの中で台湾の重要性についても触れ、「世界的コロナ禍で日本や欧米各国がその経済成長をマイナスに停滞させる中、2020年には台湾だけが3%台のプラス成長を確保し、2021年には驚異の6.28%を記録した。また、台湾の誇る半導体製造は、今や世界のサプライチェーンにおいて欠くことのできない重要な一端を担っている」と述べています。
また、激動する国際社会において、民主主義、自由、人権、法の支配といった普遍的な価値を共有する日台関係は、これまで以上に重要であり、かけがえのないパートナーになっていると強調したほか、2011年3月11日の震災直後の台湾の方々の有形無形の支援や思いは、10年以上経った今でも日本人の心に深く根付いていると指摘しました。
泉・代表は、50年にわたり日台双方の先人たちが苦労して築き上げ、お互いを思いやって育んできた信頼と友情の絆は世界に誇る堅牢なものだと述べ、互いに助け合う関係にあるものの一方が滅びると、他の一方も危うくなるという例えの「唇亡びて歯寒し」という言葉で台日関係を形容したほか、「先人たちから松明を引き継いだ私たちから、また新しい次の世代へと、未来に向けて友好の松明が次々と引き継がれていくことを心より願う」という言葉でスピーチを結びました。
泉・代表のスピーチに続き、東元集団の黃茂雄・会長は、海外訪問中の「台湾日本関係協会」の蘇嘉全・会長の代理としてあいさつし、「台湾と日本の経済貿易関係は絶え間なく成長しており、さらに建設が進む」と述べたほか、今後1、2年の間に予定されている台湾新幹線こと、台湾高速鉄道の新車両調達は多くのキャッシュフローを生むことができる。そのほか、地域の平和、安全を保障するために気候変動、経済サプライチェーンの変化、安全保障、情報セキュリティ、公衆衛生なども克服しなければならないと指摘しました。
(編集:本村大資/王淑卿)