蔡英文・総統は22日夕方、リモートで日本の安倍晋三・元首相と対談を行い、ロシアによるウクライナ侵攻について、蔡・総統は、このような一方的な軍事行動によって現状を変えようとし、民主国家の主権を侵害する行為は絶対にインド太平洋地域で発生させてはならないと強調。安倍・元首相も「台湾有事」は同時に「日本の有事」でもあり、「日米同盟の有事」でもあるとし、インド太平洋地域は武力による一方的な現状変更を許してはならないとの見方を示しました。
このリモート対談は、日本の超党派議員連盟、日華議員懇談会の年度総会の中で行われ、双方は、共に災害を乗り越え、疫病に立ち向かう日本と台湾の友好関係、台湾のCPTPP加盟、ウクライナ情勢と地域情勢、自由で開かれたインド太平洋戦略の平和維持という4つの議題について意見交換を行いました。
新型コロナの防疫関係については、蔡・総統は日本が多くのワクチンを提供してくれたことによって台湾の感染拡大がコントロールできているとして感謝を述べました。また、安倍・元首相も台湾が日本へ大量のマスクや防護服、そして医療器材などを寄贈してくれたことへ感謝を伝えました。
また蔡・総統は、台湾は先月福島など周辺5県の食品の輸入解禁を宣言している。これは台湾が国際基準を受け入れ、貿易を困難にしている問題を解決する決心を表しているものであり、日本には引き続き台湾のCPTPP加盟へ向けた後押しを期待していると述べました。
これに対し、安倍・元首相は、CPTPPの創設11の加盟国の代表はすでに新たな経済体を受け入れることを表明しており、加盟国を拡大することを決めている。現在、イギリスと交渉しているところだとし、台湾が協定の原則と高い基準を受け入れることを条件として、早期に加盟できることを期待していると答えました。
ロシアによるウクライナ侵攻については、蔡・総統は、次のように述べました。
蔡・総統は、「このような一方的な武力的方法で現状を変え、民主国家の主権を侵害するようなことは、インド太平洋地域で絶対に発生させてはならない。これは国際社会の共同認識だと深く信じている。この場を借りて、日本は様々な国際社会の場において、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調しつづけてくれていることに感謝を述べるとともに、今後も引き続き台湾と日本の様々な交流をより深め、共に地域の平和と安定を促していきたい」と語りました。
これに対し、安倍・元首相は、日本と台湾は外交や仕事の枠を超え、より緊密な相互交流を築いていることを大変うれしく思っている。また、地域の安全を維持するために日本と台湾が情報を共有することが必要であると述べました。
安倍・元首相は昨年、台湾シンクタンクが開催した研究討論会の中で「台湾の有事」は、「日本の有事」であり、「日米同盟の有事」でもあると語り、インド太平洋地域で一方的な武力による現状の変化を絶対に発生させてはならないとしています。
安倍・元首相は、「自由で開かれたインド太平洋は、私自身が提唱している考え方で、日本や台湾が位置する広大なインド太平洋地域は国際法の下で自由で開かれた海を維持しなくてはならない。もちろん、武力で一方的に現状を変えることは許されない」と語りました。
蔡・総統も、台湾も「自由で開かれたインド太平洋」の意味を高く評価し、この地域の平和と繁栄に貢献することを期待していると述べ、台湾と日本は共に重要な貿易のパートナーであり友人、そして安全のパートナーでもあるとし、台湾と日本の関係はまだ多くの協力できる余地があり、今後も、台湾は日本やアメリカなど理念の近い国家と共に協力し続け、この理想を実現していきたいと語りました。
(編集:中野理絵/王淑卿)