「生きている化石」と言われる台湾在来種の豚「蘭嶼豚」は、40年間の原種の保存と育成を経て、今年1月に生息地である蘭嶼へ返され、6月に1代目の子供が誕生しました。農業委員会は今月3日に記者会見を開き、その喜びを伝えました。
蘭嶼豚は、台湾イノシシと並び、台湾の在来種の豚です。主な生息地は台湾の離島・蘭嶼です。蘭嶼の原住民族、タオ族にとっては、重要な式典の際に欠かせない供え物です。
海外の研究によりますと、蘭嶼豚は独特なミトコンドリアDNAを持っており、現存している最も古い豚の品種の1つです。蘭嶼豚の出現はおよそ60万年前、氷河期に東南アジアから台湾に渡来し、台湾に馴染ませて「蘭嶼豚」となったと推測されています。「生きている化石」と見られ、海外からも注目されています。
ところで、蘭嶼豚は、長年他の品種の豚との交雑を繰り返した結果、見た目の特徴はすでに本来の姿と大違いです。
それを受け、今からおよそ40年前、農業委員会の前身、「農業発展委員会」は蘭嶼の原住民族の集落から蘭嶼豚の子豚をオス4頭、メス16頭購入し、現在の畜産試験所台東種畜繁殖場(種蓄牧場)で新品種の導入、原種の保存、科学技術を使う研究開発、バイオメディカルへの応用などを行いました。ここ10年、蘭嶼豚は年間およそ500頭繁殖しており、そのうち、純粋な遺伝子を持つ蘭嶼豚は医学研究目的で台東種畜繁殖場で飼育されています。
昨年原住民族委員会の支持を受け、同種畜牧場は今年1月にオス10頭、メス18頭の蘭嶼豚を本来の生息地である蘭嶼へ返しました。自然繁殖を経て、6月8日に、第一代目である三匹の子豚が誕生しました。
畜産試験所の黄振芳・所長は、「台東種畜繁殖場は、蘭嶼豚の近親交配を避けるよう、豚たちの血縁関係をたどり、兄弟姉妹を同じバスケットに入れないようにしている。そのため、1代目の子供たちは結構健康そうだ」と説明しました。
蘭嶼豚は耳が小さく、体型も小さいため、「小耳種豚」、「ミニブタ」とも呼ばれています。通常の品種の豚が、1歳になったら、体重はおよそ150キロから180キロになるのに対して、蘭嶼豚はわずか45キロから70キロです。畜産試験所は来年に開催される「第6回Fatty Pig国際研究集会」で、日本、スペイン、ハンガリーなど世界各国の専門家や学者と、在来種の豚の保存と利用について話し合い、台湾の蘭嶼豚の保存の成果を世界に伝えたいということです。
(編集:曾輿婷/王淑卿)