世界的に高く評価されている日本人現代アーティスト、奈良美智氏の台湾初個展が11日、台湾北部・台北市にある国立台北芸術大学關渡美術館で開幕した。開幕式には蔡英文・総統も自ら出席を表明し、市民に彼の作品をお薦めした。奈良美智氏はビデオメッセージの中で、「これは自身の人生の中で忘れられない展示会だ。台湾は東日本大震災の際に手を差し伸べてくれた。そのお返しになればと台湾で個展を開くことを決めた」と語った。
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政府が出資し、蔡英文・総統が会長を務める、社団法人 中華文化総会が10か月に及ぶコミュニケーションを経て、世界的に有名な日本の芸術家・奈良美智の台湾初となる個展が11日、台湾北部・台北市の国立芸術大学關渡美術館で開幕しました。
開幕式には蔡英文・総統、日本の対台湾窓口機関である日本台湾交流協会の泉裕泰・代表、文化部の鄭麗君・前部長、李永得・現部長ら、豪華なゲスト陣が駆け付けました。
今年(2021年)は東日本大震災から10年の節目の年ということで、奈良美智氏の特別展が台湾で行われることは、台日友好イベントの一つでもあり、特別なものとなっています。
台湾初個展について、奈良美智氏は事前に台湾入りして隔離を経て、自らキュレーションにも参加するなど非常に重視しています。
自身の創作人生において象徴的な絵画やスケッチ、彫刻作品などの他に、数十点の新作のスケッチや、初の海外展示となる2020年の作品「Miss Moonlight」も展示されています。
この作品の主人公が目を閉じている様子は、奈良美智氏が大地震発生の時に感じた心情を描いているそうです。
そのほか、台湾のために作られたという「Hazy Humid Day」は、台湾での個展の機会を得たときに、代表作である「Miss Moonlight」シリーズにつりあうような新しい作品を作りたいとして書き出したものだそうです。
奈良美智氏は個展の準備が整った後、すでに台湾を離れていますが、ビデオメッセージで関係各位へ協力への感謝を伝えるとともに、今回の個展を自ら完成させようと思った理由を明かしました。
奈良美智氏
「今回こうやって来れたのは、東日本大震災の時に、台湾から多額の義援金をいただいて、日本の人たちはみんな感謝をしていた。そのお返しの一つとして僕がこうやってこれたので、精一杯展示はしました。」
蔡英文・総統は先日、官邸での朝食会に奈良美智氏を招いており、台湾での個展開催に来てくれたことに歓迎と期待の意を表しました。
蔡・総統は、奈良美智氏はプライベートではとてもおしゃべりで温かい人だと明かし、彼が、今回の個展の開催は日台の長年にわたる確固たる友情があったからだと思っていることを紹介しました。
蔡英文・総統
「今回の台湾での個展開催にあたり、多くの人が尽力した。何よりも長きにわたって蓄積して来た台日の友情によるものだ。特に311以降、私たちはお互いに助け合いや温かさをさらに実感した。」
蔡・総統は、奈良美智氏の作品は、東日本大震災にあって以降、温かく、人の心を慰める力もあるとし、見る人によって感銘を受けた理由はそれぞれだが、人からの話を聞くのではなく、ぜひ皆さんに実際に見ていただきたいと思っていると語りました。
奈良美智特別展は3月12日から6月20日まで、台北市の關渡美術館で開催された後、7月に高雄市立美術館、11月には台南市美術館でも行われます。
なお、奈良美智氏もまた必ず台湾に来るとし、展示会を喜んでもらえればとしています。
(編集:中野理絵/王淑卿)