台湾の公共テレビが1998年に制作した鉄道番組「軌道伝奇」がこのほどデジタルリマスター化され、3月より公共テレビのOTT動画プラットフォームで順次配信する予定です。
「軌道伝奇」は、全20話。台湾の在来線・台湾鉄道(=在来線)、糖業鉄道、森林鉄道、塩運搬鉄道、鉱山鉄道など、1990年代の台湾における各種の鉄道の映像を記録しました。中には、1999年9月21日に発生した、20世紀で最も大きな地震「921大地震(台湾大地震、台湾中部大地震)」の影響で、廃線となった鉄道、引退となった車両などの貴重な映像記録も数々あります。1998年に放送された後大好評を博し、その翌年に、台湾のエミー賞に相当する「金鐘奨(ゴールデン・ベル・アワード)」にノミネートされました。
国家鉄道博物館の準備組織・国家鉄道博物館準備処(じゅんびしょ)は2019年12月、公共テレビと提携し、番組として放送された映像と当時に撮影された映像を公共テレビにより色彩の調整、解像度の向上など、デジタルリマスターが行われ、重要な資料として国家鉄道博物館準備処にて保存、研究されます。
公共テレビの徐秋華・総経理は、「公共テレビは、全20話、1話30分の番組映像だけではなく、取材するときに撮影した映像も完全に保存している。この150時間にのぼる撮影映像をもデジタル・リマスターされるところが、このプロジェクトの最も重要なところだ。今ではすでに消えてしまった鉄道を、これを機に、鉄道ファンと台湾の人々の目の前に再現することができる」と話しました。
1998年、番組の製作中に、鉄道専門家として公共テレビに協力していた、国家鉄道博物館準備処の洪致文(こうちぶん)・主任は、「当時、鉄道ファンは台湾で鉄道博物館が創設されることを期待していたが、時代背景のため叶わなかった。だから番組映像を撮影するときは、みんな台湾の鉄道の様子を保存するよう心がけていた。今思えば、それは非常に重要な決断だ」と話しました。
洪致文・主任は、「試写の第一話も、その後の番組内容も、とにかくその1990年代後半に撮れる台湾の鉄道をすべて映像で記録しようという思いで制作された。だからこそこの『軌道伝奇』の番組があった。その後は残念なことに、921大地震が発生したが、大地震によって破壊される前の阿里山森林鉄道の様子もちゃんと記録している。これがこれらの映像の貴重なところだ」と説明しました。
洪致文・主任によりますと、「軌道伝奇」の映像データは将来、国家鉄道博物館の研究資料となるほか、常設展示の一部、鉄道の教育、プロモーションにも使われ、台湾人が鉄道に対する思い出を蘇らせることができます。
なお、デジタル・リマスター化された映像は、3月から公共テレビのOTT動画プラットフォームで順次配信される予定です。
(編集:曾輿婷/王淑卿)