最大野党の国民党は、蔡英文総統がラクトパミンの残留するアメリカ産豚肉の輸入を解禁したことに反対して、12日、住民投票を発動するために必要な署名集めを台湾全土で開始しました。
蔡英文総統がこのほど、ラクトパミンの残留するアメリカ産豚肉の輸入を解禁すると発表したことから、賛否両論が巻き起こっています。ラクトパミンは、飼料添加物として加えることで肉の赤身が増えるといわれていますが、人体に対しては有害な影響を及ぼすことがあるという報告があるため、食の安全に対する不安から、解禁に反対する声が強く、国民党はそうした声を背景に反対運動を展開しています。
現在、台湾では、ラクトパミンを飼料添加物として使用することは、全面的に禁止されており、またこれまでラクトパミンが残留している豚肉の輸入も全面的に禁止していました。
解禁反対の住民投票のための署名集めは、初日の12日に署名会場となった台北市木新市場に国民党の江啓臣・主席と馬英九・前総統などが集まり、有権者に署名を呼びかけました。
そのうち、馬英九・前総統は、アメリカ産豚肉の輸入をすべて拒否しているわけではなく、ラクトパミンが残留したアメリカ産豚肉を拒否しているだけで、ラクトパミンを使用していない60%のアメリカ産豚肉を拒否しているわけではないと強調しました。また、「世界197カ国のうち、81%に当たる160カ国はラクトパミンを使用していない。台湾では60%の人がラクトパミンの残留する豚肉の輸入に反対している。大部分の地方自治体も反対している。総統は国際情勢を理解しておらず、台湾の民意に背いている」と語りました。
馬英九・前総統は、蔡英文総統がラクトパミンの残留するアメリカ産豚肉の輸入を解禁するにあたって、まったく討論を行っておらず、民主国家である中華民国でこのようなことがあってはならないと批判しました。
また、江啓臣・主席は、「来年1月1日の輸入解禁まで残すところ110日だ。豚肉を安心して食べることができるのは110日しかない。この間に公開討論を行い、皆さんにより深くこの問題を理解してもらい、最後は台湾の人々が自ら決めるべきだ」と主張しました。