蔡英文・総統が、オーストラリアのシンクタンク・「オーストラリア戦略政策研究所」の招きに応じて、27日、「インド太平洋協力ハイレベル対話」のシリーズ活動でリモート演説を行い、書面による質問に答えました。
中国が主張する「一つの中国」政策について、蔡・総統は、それは中国の主導権を認めるものだとし、北京側のいう「一つの中国」は本質上、「一国二制度」だ。これは台湾の人民が受け入れられないものだ。特に香港の状況を目にした後と強調しました。
蔡・総統はまた、「台湾は、民主主義が発展している国だ。中華人民共和国は、台湾に対する管轄権を持っていない。台湾の公民は、政治的権利を完全に有しており、台湾を矮小化しようとする企てを拒否している。台湾海峡の平和と安定に努める台湾の取り組みは、国際社会でも注目されているだろう」と述べました。
台湾の独立、および中国との統一の可能性について、蔡・総統は、「台湾は台湾。台湾の存在について疑う余地はない。台湾には自らの政府があり、自由な選挙制度もあり、人民は自分の政治指導者を選挙で選ぶことが出来る。自らの軍隊と民主制度もある。一度たりとも、北京側の支配を受けたことはない」と説明しました。
蔡・総統は、さらに「台湾の未来は台湾の人々によって決められるべきだ。これこそ我々のこだわりだ」と強調しました。
蔡・総統は、台湾海峡の平和と安定に努めるという約束を守ることを重ねて表明し、双方にとって共に有利になることなら、中国と話し合いを進める用意がある。しかし、この話し合いは、『平和、対等、民主、対話』の四原則に基づく必要があると述べました。
そのうち、「平和」は、台湾海峡両岸の平和維持を指す。対岸は台湾への武力侵攻を放棄しなければならない。「対等」は、双方は、相手が存在している事実を否定しないこと。「民主」は、北京側は、台湾の前途は台湾の人々によって決められることを正視すること。「対話」は、政治的な前提を設けない状況の下、「我々は北京側との対話を回避しない」ことだと説明を加えました。
台湾と中国が衝突する可能性について、蔡・総統は、各方面は慎重な態度で臨んでこそ、初めて両岸が衝突することを避けることが出来ると指摘、北京側に対して自制と、地域の大国としての義務を果たすよう呼びかけています。
蔡・総統は、国際社会が香港の情勢と南シナ海における中国の軍事行動に注目していることから、台湾海峡の情勢にも目を見張っているはずだと指摘しています。
蔡・総統は、地域における軍事行動がますます増えているとし、偶発的な軍事衝突に懸念を示しました。誤解と誤った判断を避けるため、蔡・総統は、各方面は、常に開かれた対話のルートを保っておく必要があるとの見方を示しました。
国際情勢が不安定な今日、台湾がいかにして自らを守るべきかとの質問に対して、蔡・総統は、三つのポイントを挙げました。
一つ目は、両岸政策に対して実務を重んじる一貫した態度をとること。
二つ目は、防衛能力を高めること。
三つ目は、理念の近い国との連携を強化すること。
の三項目です。