行政院農業委員会水土保持局台東分局が、2019年から「万物穀倉大地慶典」と題する一連のイベントを行っている。その一環として台湾南東部・台東県池上郷の県道197号(池上から台東まで)沿線に設置された大型インスタレーション12点から成る「漂鳥197-縦谷大地芸術祭」が挙げられる、今年(2020年)は、昨年の作品のほか、新たに作品が10点加わり、さらに賑やかになっている。
水土保持局は、参観者が芸術家の目線を通して、台東県池上郷の美しさを楽しむことが出来るよう期待すると共に、ポストコロナ時代に芸術の力によって人々の心をも癒そうとしている。
今年もイギリス、日本、カナダ、台湾の芸術家たちを招き、作品を作ってもらっている。イギリスのイースト・ロンドン大学の修士で、現在台湾に移住しているイギリスの芸術家、貝馬丁(Martyn Barratt、マーティン・バラット)さんは、どこでも見かけられる反射鏡を使って作品を作った。題して「生命的反思(Reflecting on Life)」。マーティン・バラットさんは、この作品を通じて展示会場となる「大坡池」とその周りの環境に対する人々の重視を喚起するよう期待すると共に、参観者は、鏡に映る自分とほかの参観者を見て、自然環境における自分の役割と位置づけを見直すよう促すのが狙いだと説明した。
なお、今年の展示が始まる前、すでに作品が5点完成した。この5点の作品は、池上農会(農協)の古い穀倉と「大坡池」の周辺にある。残る5点の作品は、今年7月から10月まで順次完成する予定。来場者は昨年の作品を参観することが出来ると共に、芸術家の創作プロセスを自分の目で見て作品の生命力を感じ取ることも出来る。
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台東の自然とその土地の風土や人情を芸術家の目を通して創作した作品が並ぶ、台東・縱谷大地のアートフェスティバル。
昨年は、魅力的な作品や独創的な作品を探しに、県道197号線沿いに多くの観光客が集まりました。
今年は、昨年のアートフェスティバルの11作品に加え、さらに国内外の多くの芸術家の参加を呼びかけ、自然の素材を通して、創意工夫を凝らすことで、新たな要素を加えています。
芸術家の范志明(Talaluki)さんの作品は、蓑を着て編み笠をかぶり、蓮池の傍で釣り糸を垂らす巨大な老人。流木で作られていて、流木が表情に年輪を刻んでいます。まるで旅人に対して一緒に座って人生について考えようと誘っているかのようです。
范志明さんは、「最も時間がかかったのは目の表情だ」と語りました。
どこにでもある反射鏡までもが創作要素の一つとなっています。台湾女性と結婚したイギリスの芸術家、貝馬丁(マーティン・バラット)さんの目には、台湾の独特の風景に映りました。彼の創意工夫によって生み出された作品は、周辺環境と人を融合させるだけではありません。鏡が景色を映すだけでなく、みんなに多くの事を反省してもらいたいと願っています。
芸術家の貝馬丁(マーティン・バラット)さん
「私たちは今、生活を写真で記録することが習慣となっている。ただ、どれも記憶として撮っているだけで、注意して見ることを忘れてしまっている。」
気ままな遊牧芸術家・葉海地(Heidi Yip)さんは、台湾原住民、阿美族の伝統的な製陶方法で、700枚の陶器の欠片を焼き、ラミーと呼ばれる麻のひもを使って吊るし、視覚と聴覚の両方で楽しめる作品を制作。自然と人との共同の記憶を繋ぎ合わせています。
今年の台東・縱谷大地のアートフェスティバルは、まだ続々と新たな作品が増えています。会場も池上から關山まで広がりました。このアートに輝く土地が新型肺炎によって疲弊した人々の癒しになることも願っています。
(編集:中野理絵/王淑卿)