新型コロナウイルス感染の影響を受けて、多くの飲食業者で売り上げが大きく減っています。ところが、飲食業の中でも、この時期、逆に売り上げを伸ばしているところがあります。
台湾南部の嘉義県にある嘉義刑務所の近くには、受刑者と面会する際に、面会者が刑務所に持って行く料理を作る専門の食堂があります。これは「会客菜」と呼ばれています。(「会客菜」の「会」は「面会する」の「会」。「客」は「お客さん」の「客」。「菜」は「野菜」の「菜」です)。つまり「面会料理」という意味です。
この「会客菜」の食堂で、最近、売り上げが2割ほど伸びているそうです。というのも、新型コロナウイルス感染の影響で、多くの人が感染を避けるためできるだけ外出しないようにしていますが、受刑者の家族も同じように、外出することが少なくなっています。そうした時、刑務所の中で服役している家族のことを思うことが多くなります。なかなか面会もできにくくなっているからです。
そこで、こうした受刑者の家族は、「会客菜」の業者に頼んで、料理を刑務所に届けてもらうわけです。時には、配達のついでに、家族から受刑者へのメッセージが伝えられます。受刑者と家族との橋渡し役も務めることになります。
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豚肉にころもをつけて、高熱の油で揚げます。きつね色のおいしそうな色に上がって、サクサクです。また、豚の皮の煮込みもあります。しょう油の味がしっかりしみ込んでいます。
いろいろな種類の料理が並んでいますが、ここは普通のお弁当屋さんではありません。刑務所で服役している受刑者に届ける「会客菜」と呼ばれる料理の専門の食堂です。
台湾南部にある嘉義刑務所の近くには、こうした店が3、4軒あります。刑務所の給食に飽きてしまった受刑者に、家族や友人がここで買って、刑務所の中に届けるための料理です。
新型コロナウイルス感染の影響で、こうした食堂の売り上げが2割ほど増えているそうです。感染を避けるために外出を減らしている受刑者の家族が、刑務所で服役している受刑者のことを思い、業者に頼んで届けてもらうことが増えているからです。
「会客菜」食堂の陳さん。「売り上げは2、3割増えています。何か必要なものがあれば、それも家族の代わりに届けてあげます」
ただ、この「会客菜」というのは、一般の弁当とはちょっと違います。骨は全部、取り除きます。また、料理はポリ袋に入れます。中に尖ったものが隠されていないか、検査が厳しいのです。
「小さく切っておきます。まるごとではだめなのです」
刑務所の陳龍杰・秘書。「持ち込まれた料理は、中身がどのように処理されたのか、見えるようになっています」
料理を届けるだけでなく、家族からの暖かいメッセージも受刑者に届けます。新型コロナウイルス感染で、飲食業が大きな影響を受ける中で、この「会客菜」という特殊な分野の業者は、仕事量も売り上げも大きく増加しています。