皿でニシキゴイの稚魚をすくい上げながら、養殖業者の林水来氏は、歌を歌っています。
林水来氏:「80マイナス1、80ちょうど。これで400匹だよ」
林水来氏が歌っているのは、台湾中部、彰化県花壇郷ならではの歌謡曲「魚を数える歌」です。1970年代から80年代、花壇郷は台湾の淡水魚の稚魚の養殖の中心でした。取引の時により計算しやすいよう、業者たちはメロディに合わせて、5匹か10匹を基準に、足したり引いたりして数えることから、この歌が作られました。
「5匹すくい上げたら1と数え、3匹すくい上げたら、2マイナス2、合わせて8匹。また次は4匹すくい上げたら、2プラス2、合計12匹」
魚を数える歌は、決められたメロディがなく、計算する単位も人それぞれ。30年前、花壇郷の百軒以上の養殖場では、誰でも歌えます。ところで、養殖業の衰退により、林水来氏のように歌える人は、ほとんどいなくなりました。
林氏:「勉強する人いなくなったよ。こういう農業時代のものは、時代遅れだ」
林水来氏によりますと、花壇郷の最盛期に、稚魚を買いに来る外国人は、一回で2、3万匹を買っていましたので、結構儲かっていました。しかし、今では稚魚の値段が非常に低くなりましたので、この大変な仕事に携わろうとする人がいなくなりました。花壇郷特色豊かな「魚を数える歌」も、次第に忘れられ、伝承の危機に直面しています。
(編集:曽輿婷/王淑卿)