日本政府は昨年11月3日の文化の日、令和元年秋の叙勲受章者を発表しました。そして、中華民国台湾からは、3人が受章、中華民国工商協進会の理事長で、台湾ガラス会社の林伯豊・董事長が旭日重光章を、台湾アマチュア野球界の重鎮で、アジア野球連盟会長、世界野球ソフトボール連盟副会長の彭誠浩氏が旭日小綬章を、そして、台湾国際教育旅行連盟総会長で、中部・台中市の私立新民高校の薛光豊・校長が旭日双光章を受章しました。
彭誠浩氏の勲章伝達式が昨年12月20日、台北市内で行われました。伝達式には、彭氏とその家族のほか、教育部体育署の高俊雄・署長、中華民国オリンピック委員会の林鴻道・主席、中華民国野球協会の辜仲諒・理事長など台湾の野球、スポーツ関係者が一堂に会したほか、なんと、中華民国、日本の野球界にとって共通の英雄である王貞治氏も出席しました。
彭氏は、台湾の野球の歴史は日本がルーツで、双方はこれまで長期間、密接な関係について紹介、自身が1998年に中華民国野球協会の理事長に就任以来、日本の野球界と交流、協力を深めてきたと振り返り、また、2013年、アジア野球連盟会長に就任できたのは、日本球界の支援のおかげだと感謝しました。
また、彭氏は、およそ40年前、王氏との出会いにふれ、当時、台北市野球協会の主任委員でしかなった自分に、当時、読売巨人軍の監督を努めていた王氏は特別に20分もの時間をつくってくれたと述べ、「非常に感謝しています。そして深く感激しました。今日、この賞を頂けたのは、王貞治さん、そして山本英一郎さんの期待に応えようと思ったからです」と涙を浮かべながら語りました。
生前、日本野球連盟会長、そして、国際野球連盟(IBAF)副会長を務めた山本英一郎さんは、日本統治時代の台北育ちということもあり、台湾との野球による交流を推進した方です。
王貞治氏は、「彭さんは、長年に渡り、私財を投じて野球界を支えてきた。こういう人がいないと野球は発展しない。そういう意味で、日本政府が彭さんの功績を見ててくれたことが私は嬉しい。彭さんには心からおめでとうと言いたいし、また、日本国に対しては、本当にありがたいといいたい」と述べました。王氏はまた、日本ではこうした授賞式では、本人を長年支えた奥様を慰労するものだと語り、彭夫人に声をかけ、労いました。
昨年、中華民国の野球のナショナルチームは、12歳以下と18歳以下のワールドカップで優勝、15歳以下のアジア選手権で準優勝、そしてアマチュアとプロ混合のメンバーが出場したアジア選手権でも優勝するなど、各世代が快進撃をみせました。こうした好成績も、彭氏の功績の1つといえるかもしれません。そして、日本との関係においては、今後も野球を通じた双方の交流がさらに深まることを期待したいと思います。
(編集:駒田英)