台北地方検察署は19日、国家安全法に違反した疑いで野党・新党の王炳忠・スポークスマンを連行して取り調べを行った。
台北地方検察署は19日早朝、警察などを動員して王炳忠氏の自宅などを家宅捜索すると共に、王炳忠氏をはじめとする新党青年軍の4人のメンバ—と王炳忠氏の父親などを連行して取り調べを行った。そして、20日未明、取り調べを終了し、全員の帰宅を認めた。また、この取り調べでは、王炳忠氏らが親しく交際し、すでに中国大陸のスパイとして逮捕されている中国大陸からの留学生、周泓旭・被告との関係についても取り調べが行われたということだ。
これについて、行政院の徐国勇・報道官は20日、「事件の捜査は検察官の独立した職権であり、いかなる干渉も受けない。このため、行政院としては、コメントをしない」と表明した。
また、王炳忠氏らが中国大陸で、中国大陸の対台湾事務を担当する機関、国務院台湾事務弁公室の関係者と面会して台湾に戻った直後、検察が取り調べを行ったことは、政治的な目的があるのではないかとの疑問に対して、徐・報道官は、「法律問題は法律問題だと考えている。政治的な連想は必要ない。政治的な連想は、法律案件の処理にとって不利になる。このため、我々は、検察官の事件処理にプレッシャーを与えないよう呼びかけたい」と語った。また、「台湾はすでに自由・民主の国家であり、各権限の行使は尊重されるべきだ。政治的な見方でこの事件を見る必要はない」と指摘した。
一方、中国大陸の国務院台湾事務弁公室の安峰山・報道官は19日、この事件について、「高度な関心を持っている」と表明すると共に、「台湾当局は台湾海峡両岸の平和統一を主張する勢力と人々を迫害しようとしている」と指摘した。
これに対して、台湾で対中国大陸事務を担当する行政院大陸委員会の邱垂正・報道官は20日、「台湾は民主法治の社会であり、人治社会とは異なる。司法案件は証拠に基づいて処理される。司法は、政治的な立場によって対応を変えることはなく、政治的な立場によって罪を免除することもない。外部であれこれ言うことは、民主・法治に対する誤った理解だ。我々は絶対に受け入れない」と指摘した。
また、王炳忠氏の事件については、すでに司法手続きに入っており、司法機関が説明すべきだとして、コメントを避けた。
一方、王炳忠氏が所属する新党の李勝峰・副主席は20日、記者会見を開き、捜査当局の捜査過程に不公平があり、この事件は司法闘争だと批判しました。李・副主席は、「出頭命令の事情聴取の指定時間前に、家宅捜索が行われており、このような粗暴なやり方は見たことがない」と指摘した。
また、取り調べを受けた王炳忠氏は、「自分は証人として、権利が守られることを希望していた。しかし、最初に見たのは多くの警察官と調査局の人間と自称する人たちが自宅に入り込む姿だった」、「私は台湾で新党の党職員であり、スポークスマンだ。私たちが発展させようとしているのは当然、新党の組織であり、中華民国には集会・結社の自由がある。このため、国家安全違反の罪をかぶせられようとする時、当然、恐怖感を覚える。これは一種の恐怖政治であり、政治的な迫害なのではないか。そのため、私はもう一度、捜査当局対して、いかなる政治的な考慮もあってはならないと呼びかけたい」と語った。
ただし、今回の取り調べが、王炳忠氏が中国大陸の党・政府・軍から資金を受け取っていることと関係があるのではないかとの疑問に対して、王炳忠氏は記者会見で、「捜査非公開の原則に基づき、捜査内容と押収された物品については明らかにできないが、自分の潔白については説明しなければならない。自分が中国大陸の党・政府・軍から資金を受け取っていたというのは、事実ではない」と述べた。