頼清徳・行政院長は、電力不足の問題に対応するため、3つの政策目標を示した。
頼・院長は8日、記者会見を開催し、電力供給問題に対して、政府としての3つの政策目標を示した。それによると、2025年までに原子力発電所を廃止すること、2019年までに供給予備率(リザーブマージン)15%以上、需給運用上の運転予備力(オペレーティングリザーブ)10%以上を達成すること、地域間の電力調達によって環境保護を大気の質を改善することが挙げられている。
これを実現するため、多様な電源の開発を進めること、節電への国民の積極的な参加を求めること、電力の調達と貯蔵を臨機応変に行うことによって、電力供給不足の発生を防ぐことになる。
そのうち、多様な電源の開発につていは、発電装置のメンテナンスを強化すると共に、電力供給能力を拡大するため台湾電力と独立発電事業者(IPP)が発電所を建設し、2017年から2025年にかけて、火力発電装置を天然ガス燃料で889万6000キロワット、石炭で100万キロワット増やす。このほか、再生可能エネルギーの普及を全力で推進し、2025年の時点で全発電量のうちの再生可能エネルギーの比率を20%に高める。再生可能エネルギーとしては、太陽光発電、洋上風力発電、地熱発電、小型水力発電、メタンガス発電が挙げられる。そのうち、太陽光発電では、屋上・屋根に太陽光発電装置を設置することを奨励する。
節電については、国民の積極的な参加を推進し、また電気の大口利用者に対しては、平均節電率1%を義務付ける。
電力の調達と貯蔵を臨機応変に行うことについては、大口使用者から競売方式で電力需要を買い戻す「デマンドレスポンス」制度を通じて電力使用量を抑制し、同時に時間帯による差額電力料金の設定、スマートメーターの普及を推進する。また、石炭または天然ガスを燃料とする発電を減らし、大気汚染を改善する。
こうした措置を実施することによって予測される効果としては、2018年に供給予備率11.8%、運転予備力6.8%、2019年に供給予備率15.2%、運転予備力10.2%、2025年に供給予備率16.3%、需運転予備力11.3%が挙げられている。
頼・院長は、段階的に原子力発電を廃止し、再生可能エネルギーの比率を2025年に20%に高めることを計画していることが、電気料金の値上げにつながるのではないかとの疑問が出されていることに対して、「科学技術は進歩しており、再生可能エネルギーの設置費用は低下しているため、将来10年の電気料金は、過去10年とほぼ変わることはないと」指摘した。
頼・院長が示した電力供給の安全確保の方針に対して、台湾の経済団体は政府が電力不足の問題に正面から向き合っていることを評価し、電力供給の安定を希望すると表明している。
そのうち、中華民国全国工業総会の蔡練生・秘書長は、「今年に入ってから電力供給の不足の問題が続いているが、もし供給予備率を15%以上、運転予備力を10%以上に維持することができれば、産業界としては当然、非常に期待するところだ」と指摘した。
また、中華民国全国商業総会の賴正鎰・理事長も、これについて高く評価しながら、「原子力発電所の廃止は多くの人たちのコンセンサスだが、もし原子力発電所がなければ、2025年以前に電力供給を安定させることは不可能だ。2019年に供給予備率を15%以上、運転予備力を10%以上に維持することは難しいだろう」と指摘し、「経済部は現在、屋上・屋根に太陽光発電装置を設置することを奨励しているが、補助金は600億台湾元にも上る。予算編成が必要なばかりか、一軒一軒設置するのでは遅すぎる。容積率優遇による奨励で建設会社に太陽光発電装置の設置を提案すれば、予算編成の必要がなく、スピードも速い。今年開始すれば。来年には効果が表れ、電力供給に役立つだろう」との提案を示した。