総統府は18日、中国大陸での共産党大会で習近平・総書記が「92年コンセンサス」を取り上げたことについて、台湾海峡両岸の関係で、地域の平和、両岸関係の安定を維持するという政策的な立場は明確で一致していると表明した。
中国共産党の党大会が18日に中国大陸・北京で開催され、習・総書記が報告を行った。この中で習・総書記は、台湾について触れた際、「1つの中国」の原則と「92年コンセンサス」を堅持し、両岸関係の平和的発展を推進し、両岸の経済と文化の交流と協力を強化すると語った。
また、習・総書記は、台湾の情勢の変化に適切に対応し、台湾独立を目指す分裂勢力に強く反対し、これを防ぎ、台湾海峡の平和安定を守ると表明した。
「92年コンセンサス」とは、1992年に台湾と中国大陸の窓口団体が会談した際、双方が「1つの中国」の原則について合意したとされるもので、中国大陸側と台湾の前与党の国民党は台湾と中国大陸の間の台湾海峡両岸の交流にとっての基礎としてきたが、現在の台湾の与党である民進党の蔡英文・総統はこれを尊重すると述べるにとどまっている。
この共産党大会での習・総書記の発言に対して、総統府の林鶴明・報道官は、「台湾海峡両岸の関係で、わが国は地域の平和、両岸関係の安定を維持するという政策的な立場は明確で一致している。過去の一定期間、政府は広範な民意と国内のコンセンサスに基づいて、両岸の平和的で安定した関係を維持することに全力を尽くしてきた。また、対岸に対して善意を示してきた。双方の良好な相互関係を通じて、対立と相違を一歩一歩解消することを期待している。この点について、国際社会もはっきりと理解しており、台湾の努力を見ている」と語った。
林・報道官は、「両岸の間の平和・安定を守り、人民の福祉を確保することは、両岸双方の共通の責任と目標だ。蔡英文・総統は何度も、『私たちの善意は変わらない、約束も変わらない、昔のような対抗の道に戻らない、だが圧力の下で屈服することはない』と強調している。これは、我々が両岸関係を処理する上での一貫した原則だ」と強調した。
また、「両岸と地域の発展における新しい情勢に直面して、両岸の指導者は共同で努力すべきだ。長年蓄積してきた円熟した政治的な知恵を生かして、強い意志と最大の忍耐心で、共同で両岸の相互関係の新しい方式を求め、長期的に続くことのできる両岸の平和・安定の関係のため、基礎を打ち立てるべきだ」との蔡・総統が10月10日の双十国慶節での演説で語った言葉を繰り返した。
林・報道官は、「両岸または地域の各種の情勢の発展に対して、総統府は密接な観察を行っている」と指摘している。
また、対中国大陸政策を担当する行政院大陸委員会も18日、「中国共産党の対台湾政策は、その一貫した方針を引き継いだものであり、将来の対台湾工作の上で、台湾側の動きを封鎖するという基本的な態度を突出させている」と指摘し、遺憾の意を示した。
なお、中国共産党の習・総書記が党大会で、「1つの中国」の原則と「92年コンセンサス」を取り上げたことについて、蔡英文・総統は18日の時点でメディアの質問を受けたものの、コメントは行わなかった。
また、頼清徳・行政院長も、メディアからの質問にはコメントしていない。ただし、共産党大会の開催を前にした17日、立法院での質疑に対して、「過去において対岸は台湾に対して、外部封鎖、内部分裂、さらには特定団体の支援を採用してきたが、こうしたことは両岸の平和発展に役立たない」と指摘した。また、「政府各部門は、中国共産党の党大会に非常に関心を持っており、また期待している。将来、中国の指導者である習近平氏の指導の下で、両岸に新しい関係が始まることを希望している」と語った。そして、中国大陸に対して、「過去の相互関係の経験を直視し、良い部分は継続し、効果がなかったり、逆効果だった部分については、調整を行うべきだ」と呼びかけた。