馬英九・前総統が14日、機密漏えいを教唆した罪で、台北地方裁判所検察署によって起訴された。台北地検では、馬英九・前総統が刑法、通信保障法、個人資料保護法の3つの法律に違反したと判断している。
台北地検の張介欽・主任検察官の話によると、馬英九・前総統は総統在任中の2013年、当時の立法院長だった王金平氏とは政治理念が異なり、徹底した政策の実施ができないと考え、当時の検察総長だった黄世銘氏から、王金平氏がある裁判に関して口利きを行っていたとの報告を受けて、これを利用し、自分と同じ国民党所属だった王金平氏の党籍をはく奪し、さらに立法院長のポストも奪おうと考えたということだ。
張・主任検察官は、「同年8月31日、馬英九・前総統は全民電通の裁判で口利きを行ったという捜査機密を知り、資料を閲読すると共に、報告書の重点に赤で線などを引き、その後、その概要を当時の行政院長だった江宜樺氏、総統府副秘書長だった羅智強氏に伝えており、機密漏えいの事実は十分に明らかだ」と指摘した。
さらに、9月4日になって、黃世銘氏は馬英九・前総統の教唆を受けて、捜査報告の中の機密とすべき部分を江宜樺氏に報告し、さらに江宜樺氏に報告書を渡したということだ。また、黃世銘氏は馬英九・前総統に報告を行った後、関連案件の後続捜査を停止している。
張・主任検察官は、「被告は主観的に、さらに出頭などの捜査が引き続き行われる予定であることを知った。本人は指導や干渉はしないと言ったが、黃世銘氏が退席した後、捜査中の機密事項、柯建銘氏の個人資料、通信傍受によって知った事項などを、江宜樺氏と羅智強氏の2人に漏えいした。その後、9月4日になって、黃世銘氏に機密を江宜樺氏に漏えいし、機密資料を渡すよう教唆した」と説明している。
張・主任検察官は、「馬英九・前総統は、司法と政治の枠を越え、犯罪を犯した」と強調した。
馬英九・前総統の起訴について、総統府は、「司法を尊重する」と表明し、個別の司法案件にはコメントを控えたいと表明した。また、林全・行政院長は、行政院は司法の独立を尊重すると表明した。
一方、馬英九・前総統側は、「検察での説明を、検察官が受け入れなかったことは遺憾だ」と表明すると共に、「当時、憲法で定められた元首の職権を執行したのであり、根本的に犯罪に当たらない。裁判に口利きした人が罰せられず、口利きを処理した人が起訴されるというのは、不合理だ」と指摘し、「自分の潔白に自信を持っており、裁判に出廷して争うつもりで、裁判所は最終的に公平・正義の判決を下すことになるだろう」と強調した。