文化部の龍応台・部長と、フランスのパリ台湾文化センターの蔡筱穎・主任ら一行が6日午後、スイス・ジュネーヴにある、ヨーロッパを代表する基礎物理学分野の研究所、CERN(欧州原子核研究機構)を訪れ、同機構と「芸術と科学の倍速協力計画」に調印した。同計画に調印した国は、ギリシャ、スイスに続き、中華民国台湾が3カ国目となる。欧州以外の国家としては初となった。
CERNを代表し、龍部長ら一行を出迎えたRolf Heuer事務総長は、プレゼンテーションの中で、組織の業務内容と芸術と科学の倍速協力計画について説明した。
Heuer事務総長は、「台湾の71の科学機構がCERNと協力関係にある。中国大陸には122あるが、比較すると台湾の方がレベルが高い。CERNはこうした台湾の成果を評価している」と話した。
龍・部長は、計画調印までの経緯について、「実はこの計画調印は偶然の産物だ。CERNの科学者が昨年台湾を訪れた際、かねてより科学技術に興味があったので話を聞いたところ、CERNが昨年から芸術家の滞在プログラムを行っている事を知った。まだギリシャ、スイスしか参与していないという事だったので、パリ台湾文化センターに対し、CERNに連絡して担当者を台湾に招くよう指示した。CERNの関係者に、台湾のデジタルアートの芸術家と対面させた所、台湾の芸術家のパフォーマンスに強いインパクトを受けていたようだった」と説明した。
龍・部長はまた、「台湾のデジタルアーティストが、CERNという世界最先端かつフロンティア精神にあふれた科学技術の環境に身をおいた時、彼らが感じる衝撃は、ほかではなかなか得られないものになるだろう」と述べた。
台湾側とCERN側は共同で、各自が2名の代表を推薦し、双方が認めた1名を国際代表に選抜する形で派遣者を選抜するチームを設ける。また、CERNに滞在する芸術家の募集は今年9月から開始され、2名の芸術家を選抜する予定。このプログラムは来年から実施できるものとみられる。
なお、調印式には、12歳から20歳まで台湾で過ごし、1976年にノーベル物理学賞を受賞した台湾系アメリカ人科学者、サミュエル・ティン氏も出席した。