台湾の大手企業の経営者が東洋のノーベル賞を目指して設けたタン・プライズ(唐奨)は、22日から28日にかけて「タン・プライズ・ウィーク」と銘打ったイベントを開催している。
タン・プライズ教育基金会は24日、台北市で、第2回タン・プライズの受賞者による学術講演を行った。中華民国台湾の最高学術機関、中央研究院の李遠哲・元院長が進行役を務めたこの学術講演は、四部門の受賞者のうち、まず「持続可能な発展」賞を受賞したアーサー・ローゼンフェルド氏の代理、全米技術アカデミーのアショク・ガドギル博士が演説を行った。
1926年生まれのローゼンフェルド氏は「エネルギー効率の父」と呼ばれ、これまで、エネルギー技術とその政策におけるイノベーションに尽力、省エネ照明や断熱性の高い窓などを生み出し、建築環境におけるエネルギー効率に革命をもたらしたとされている。2001年の米国科学アカデミーの研究によると、ローゼンフェルド氏のエネルギーにおけるイノベーション、そして、それをもとにした政策により、少なくとも米ドル300億ドル (日本円約3兆300億円)の経費が削減されたといい、2030年までに、氏の省エネ基準により、8兆ドル(日本円約808億円)の経費、また70億トンの二酸化炭素排出量が節約できる見込みだという。ローゼンフェルド氏が進めたエネルギー政策の基準は、中国大陸やインドなど世界各国・地域に大きな影響を与えた。
なお、高齢のローゼンフェルド氏は長旅が困難である為、今回は教え子の全米技術アカデミーのアショク・ガドギル博士氏が代わりに、演説及び受賞式への参加を行うこととなった。ローゼンフェルド氏は「直接台北へ出向いて受賞式に参加できず残念でならない。私の学生であり、友人でもあるアショク・ガドギル博士に代理で出席するように依頼した」とする内容のメッセージ動画を託した。
ガドギル博士は24日、講演を行ったのち、台湾国際放送の運営母体である中央放送局の取材に対し、「ローゼンフェルド氏が世にもたらした最も大きな功績は、省エネに対する概念を変えたことだ」と指摘、「多くのお金を掛けるのではなく、効率的にエネルギーを使うことで、節約できるようになり、より多くの経済効果を生み出すことになった」と述べた。
タン・プライズは台湾の大手企業グループ、潤泰グループのサミュエル・イン(尹衍樑)総裁が、2012年に個人の資産で設立した国際的な学術賞で、「持続可能な発展」、「バイオ医薬」、「漢学」、「法治」の四部門を設置、2年に一度発表している。2014年に第一回受賞者、今年、第二回受賞者を表彰した。