行政院農業委員会(農委会)が新南向政策に合わせ、東南アジアと中東ムスリム市場の開拓に乗り出す。政府は東南アジア及びインドとの経済貿易面での関係、並びに教育や文化交流など幅広い関係を強化する、新南向政策を推進している。行政院農業委員会ではこれに合わせて、台湾国際農業開発会社を設立、東南アジアと中東ムスリム市場を開拓し、これまで農産物の輸出が中国大陸に集中していたリスクを分散することにした。
台湾国際農業開発会社は、農業委員会傘下の台湾肥料の子会社を再編成して立ち上げられ、資本金は台湾元10億元(日本円約32億円)。現在すでに2億2000万元あまりを調達しており、株主は台湾肥料の他、台湾糖業、陽明海運、中華民国対外貿易発展協会などとなっている。農業委員会では農産物の対外的な販売スタッフを募集しており、10月中旬に運営の詳細について明らかにする。
熱帯フルーツの産地である東南アジアに台湾の農産物を売り込む戦略を疑問視する声に対し、農業委員会では、亜熱帯と熱帯では果物の甘さが異なると指摘し、台湾のフルーツの優位性を強調した。農業委員会によると、台湾のパイナップルやドラゴンフルーツ、グアバは中東や東南アジアの人たちの好む、甘さの強い果物で、シンガポールで市場シェア6割を誇る流通大手、NTUCとの提携も交渉中だということ。
農業委員会国際処の陳俊言・処長は、「我々の農産物は季節性のもので、海外の業者は安定性に欠けると考えがちだ。これまでは輸出を主とした産業ではなかったが、台湾国際農業開発会社は輸出に特化し、主力の農産物を一つか二つに絞って年間を通じた供給を行っていく。また、季節性の農産物の輸出にも協力し、輸出のサプライチェーンを構築する」と述べている。
台湾国際農業開発会社では農産物以外に肥料、バイオ製剤、農業器具、種苗産業などの輸出も行うということ。