行政院が原子力発電所の退役を前倒しすることはないとしている。昨日1日に台北市では6月として過去120年で最も暑い38.7度が記録されるなど、台湾では連日猛暑が続いており、電力の供給不足が心配されている。行政院の張景森・政務委員は2日、これについて、台湾電力の複数の発電ユニットは今月中旬にならねばメンテナンスが終わらないので電力供給に懸念が出たが、政府の対応策で乗り切れたと説明した。
行政院は2日の閣議後、経済部の沈栄津・次長と張景森・政務委員が記者会見を開き、政府の対応を説明した。沈・経済部次長はまず、政府機関が率先して節電に努めるとして、各政府機関及び学校が室内の設定温度を28度に高めることを求めた。
沈・次長によると、台湾電力でも対応計画を打ち出している。内容は企業が節電した場合の補助金の提供、工場の余熱を利用した発電を台湾電力の給電システムに加えること、さらに企業の大口利用者に特定の時間における節電に協力してもらうこと。発電側では、台湾電力の発電ユニットのメンテナンス、台湾電力と民間の発電所の発電能力拡大に向けての調整など。
電力供給不足が心配される中、政府が非核国家実現に向けて努力を続けられるかどうかについて、張・政務委員は、2025年の非核国家実現の目標は変わらないと強調、しかし、万一に備えて原子力発電所の早期退役、すなわち運転停止はしないと明言した。
また、張・政務委員は、電気料金は節電を推進する上での大変重要な要素だとして、電力使用のピーク時の価格は高く、それ以外は低く設定することで、国民の節電を促していく構想も明らかにした。一方で、台湾における米国企業の団体、台北市米国商会は2日に発表した、2016年度の台湾白書で、中華民国政府に対し、詳細なエネルギー計画の提出を提言した。
この白書では、新政権発足後100日間の行動が未来に大きく影響すると強調、施政重点を経済振興に置き、行政院の下部にワーキングチームを設置すること、行政手続法の改正、政府機能の向上、国民との意思疎通能力強化などを提案した。エネルギー政策の面では、電力供給はとりわけ台湾の半導体やその他ハイテク産業にとってはきわめて重要だとし、価格を含めた詳細なエネルギー計画を明らかにするよう要求した。