蔡英文・新総統は20日午前11時、総統府前広場で総統就任演説を行った。蔡・新総統は、アジア太平洋地域の安全保障は複雑さを増しており、台湾海峡両岸関係はその重要な部分だと指摘すると共に、断固として平和を維持し、地域協力に積極的に参与していく決意を示した。蔡・新総統はまた、両岸関係の平和と安定維持に全力で努めるとし、台湾内部での和解実現と共通認識の形成により、対外的に一致した立場を固める考えを示した。
蔡・総統は対話と意思疎通の重要性に触れ、台湾が平和的かつ積極的な「意思疎通者」となるためには各方面との間に常態化し、かつ緊密な対話メカニズムが必要だと強調、平和の原則、利益の共有といった原則を守りながら争いを解決すべきだと主張した。
蔡・新総統は、自分は中華民国憲法に基づいて総統に当選したとした上で、東シナ海と南シナ海に関する問題については、争いの棚上げと資源の共同開発を主張する立場を示した。
そして各界が注目する、中国大陸との対話について蔡・新総統は、既存のメカニズムの維持に努めるとした上で、「1992年に両岸の交渉窓口機関が、相互理解、並びに合意できる点を探り、立場の異なる点は棚上げするという政治的思考を堅持して話し合い、若干の意思疎通と相互理解に達した歴史的事実を尊重する」と述べた。蔡・新総統は、1992年以降20年あまりで双方の交流が積み重ねた成果を両岸はいずれも大切にして守り、今後、今ある基礎と政治的基礎の下、両岸関係の平和的な発展を引き続き推進していくべきだと述べた。蔡・新総統は、新政権は、中華民国憲法、両岸人民関係条例並びに関連の法律に基づいて両岸業務を進めていくと宣言、両岸の政権与党はこれまでのわだかまりといった重荷を捨て、前向きな対話をスタートさせ、両岸の人々を幸せにしようと呼びかけた。
蔡英文・新総統は、自身の言うところの「政治的基礎」にはいくつかのキーとなる要素があるとし、それらの要素を、①1992年に両岸双方の交渉窓口機関が会談したという歴史的事実と、「合意できる点を探り、立場の異なる点は棚上げにする」ことへの共通の認知、②中華民国の現行の憲政体制、③過去20年あまりの協議と交流による成果、④台湾における民主の原則と普遍的な民意だと説明した。