今年1月の総統選挙で当選した民進党の蔡英文・主席が20日午前9時、総統府において宣誓し、中華民国第14代総統に就任した。立法院の蘇嘉全・院長が総統印を手渡し、蔡氏は正式に中華民国史上初の女性総統、並びに直接選挙で選ばれた4人目の総統となった。中華民国の憲政史における三度目の政権交代が完了したことになる。
総統府では20日午前9時より、中華民国第14代正副総統の宣誓と就任の式典が行われた。蔡英文氏はこれまで、国歌を歌う際には、歌詞のうち国民党の「一党独裁」を示すとされる「吾黨所宗」の部分を歌わないスタイルだったが、この日は国歌をすべて歌い、中華民国建国の父、孫文・博士の遺影に三度お辞儀をした。その後、大法官会議主席の頼浩敏・司法院長立会いの下、国旗と孫文・博士の遺影、立会人に向かって右手を高く挙げて宣誓文を読み上げ、宣誓文を立会人に渡して正式に第14代総統に就任した。宣誓文は、「もっとも誠実な気持ちで全国の国民に誓う。憲法を守り、忠実に職務を果たし、人々の幸福を増進し、国家を守る。国民の負託を裏切らない。宣誓に反したならば、国家の厳しい制裁を進んで受ける」というもの。
その後、陳建仁氏も宣誓を行い、第14代副総統に就任。蘇嘉全・立法院長は、「中華民国の璽(国璽)」、「栄典の璽」、「総統印と総統章」を蔡英文・新総統に授け、陳建仁・新副総統には「副総統の章」を手渡した。
退任した馬英九・前総統、呉敦義・前副総統、李登輝・元総統、新政権で行政院長となる林全氏は最前列で式典に立会った。また、下野した国民党の洪秀柱・主席、台北市の柯文哲・市長、並びに民進党所属の地方首長らの多くが式典に立ち会った。
式典が終わると、蔡英文・新総統と馬英九・前総統は並んで総統府の玄関に向かい、馬・前総統は総統府の職員たちの熱烈な見送りを受けた。新旧総統は、総統府前に設けられた新総統就任祝賀大会のステージに出て観衆に手を振り、蔡・新総統は馬・前総統が車で総統府を後にするのを見送った。蔡英文・新総統はその後総統府内に戻ると、行政院長などの任命令への署名を済ませ、就任式に関するすべての手続きが完了した。