日本占拠時代の高級料亭「紀州庵」が、10年の年月、台湾元1650万元(日本円約5590万円)をかけ、往年の姿に修復された。明日25日から一般開放される。
木造建築の「紀州庵」は、もともと日本占拠時代の1917年に和歌山県出身の平松徳松氏が開いた高級料亭で、本館、別館と離れがあった。太平洋戦争勃発後に休業。戦後は台湾省政府の職員宿舎として使われたが、1990年代、二度の火事に遭い、現在は離れが残るのみとなっている。2004年、台北市政府より古跡に指定され、修復作業が開始された。
「紀州庵」は戦後、台湾文壇を代表する作家である王文興氏の住居となった時期もある事から、文学の聖地と目されており、台北市では今後「紀州庵」を、同市初の文学をテーマとした芸術文化空間として活用していくという。
24日に行われた開館式には、日本から創業者平松徳松氏の孫、平松喜一朗氏のほか、和歌山市の市議会議員の代表も招かれた。平松氏は標準中国語で、紀州庵の為に盡力した全ての関係者に対し、感謝の言葉を述べた。
台北市文化局の劉維公・局長は、「任期内に修復を終える事ができ、文学界への務めが果たせた。今後、紀州庵は台北市の文化展示場所となるだろう」と語った。
館内では常設展のほか、飲食、演劇、旅行などと文学を結合したスペースも設けられる。入場は無料。