張善政・行政院長が、台湾の人がケニアから中国大陸へ強制連行された事件について、司法の正義に則って手続きが行われることを希望した。
ケニアで電信詐欺事件を起こし、中国大陸に強制送還された台湾の人が45人に上っている。
張・行政院長は13日、「ケニアの裁判官はすでに禁止命令を出したものの、台湾の人々は中国大陸に強制的に連行された。また、我々に対して事前に通告がなかった。これは両岸で締結した『両岸司法共助協定』の精神に背いている。外交部と行政院大陸委員会が厳正なる抗議を行ったことは正しい」と述べた。
張・行政院長はさらに、「被害者、そして証拠も中国大陸にあるため、中国大陸において司法手続きが行われなくてならないようだ。そのため、法務部は台湾の人の司法上の人権を確保できるよう、検察官を中国大陸へ派遣する」と説明、「仮に中国大陸で判決を受けた場合には、両岸間の『犯罪共同撲滅協定』に従い、台湾で刑に服してもらいたい」と述べた。
張・院長は、司法手続きには時間がかかるため、5月20日の政権交代までの解決は厳しいとの見方も示した。
一方、法務部の林輝煌・次長は13日、国際社会には司法管轄権に関する様々な慣例があるとして、この事件の場合、国籍法による規定をもとにすれば台湾に管轄権があるが、中国大陸は被害者の管轄権を主張しており、この場合、管轄権を巡って意見の相違が起きる。国際社会の慣例では双方による話し合いで解決すると説明した。
林・次長はその上で、「このため、事件発生後、積極的に行政院大陸委員会、外交部、法務部そして2つの部会は共同で話し合いを行っている。いかにして、法にかなう形で、かつ我々の尊厳及び主権の独立を守れるか、これがこの事件を処理する上での最も重要な原則だ」と述べた。
なお、行政院大陸委員会の夏立言・主任委員は、これらの人たちの犯罪行為は司法によって確立されたものではなく、また関係者全員は全て中華民国の国民であることから、中華民国台湾はこの事件についての管轄権をもつとの見方を示した。
外交部の林永楽・部長は、この事件はケニアの警察機関と中国大陸が連絡をとりあっていることに加え、ケニア側も、被害者は皆、中国大陸にいると見ていると指摘、この事件が国際社会の台湾に対するイメージに影響するとまでは考えにくいが、少数の詐欺グループについてはしかるべきメカニズムによってこれを管理し、国際社会との協力により対処するべきだと強調した。