台北高等行政法院(台北高裁)が、二・二八事件の日本人犠牲者の遺族への賠償金支払いを命じる判決を下した。二・二八事件で外国人犠牲者の遺族への賠償金支払い判決は初めて。
「二・二八事件」は1947年2月28日、当時の国民政府が、第二次世界大戦前から台湾に住む人たちを武力で弾圧し、大勢の人が犠牲となった流血事件。日本人の青山恵先さんは、台湾に家族を迎えに立ち寄った際に同事件に巻き込まれ、行方不明となり、その後、死亡が宣告された。
青山恵先さんの息子、青山恵昭さんは昨年、事件の処理などを行う財団法人二・二八事件紀念基金会に対して、賠償を求める訴訟を起こした。青山さんは昨年、出廷した際、「母親は父の帰りをずっと待っていた。そしてその母も既に他界した。悲しい歴史が今後も続いていくことのないよう、一日も早く真相を伝えて欲しい」と述べた。
財団法人二・二八事件紀念基金会は、青山さんの父親を二・二八事件の犠牲者と認めたものの、内政部は日本政府が従軍慰安婦に対し同等の賠償を行っておらず、国と国との平等、互恵を理由に、基金会に賠償をしないよう指示していた。
しかし、台北高裁は17日午前、青山恵昭さんの勝訴を言い渡し、二・二八事件紀念基金会に賠償金台湾元600万元(日本円約2046万円)の支払いを命じた。
青山さんの支援を行っていた台湾人権促進会の邱伊翎・秘書長は、「移行期正義を追求するにあたって本国人や外国人の差はない。賠償は最低の要求だ。最も重要なことは真相を明らかにし、政府に誤りを認めさせることだ」と強調した。二・二八事件紀念基金会は判決結果を受け、至急役員会議を開いて検討するとしている。