オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は先ごろ、フィリピン政府が、中国大陸の南シナ海における領海権主張は国際法に違反するとして訴えた仲裁手続きについて、裁判所の管轄権を認める判断を下した。
これに対し、中華民国外交部は31日、常設仲裁裁判所はこの件に関して中華民国に意見を聴取していないことから、仲裁裁判所の判断について、中華民国は承認することも受け入れることもできないとして、中華民国の7つの立場を表明した。中華民国外交部が主張した7つの立場は、下記の通り。
1、フィリピン政府は南シナ海における中国大陸との間の仲裁案について、中華民国に対して参加を呼びかけていない。また、常設仲裁裁判所も中華民国から意見を聴取していない。よって、中華民国はこの件に一切関わっておらず、中華民国政府としては、この判断を承認できない上、受け入れることもできない。
2、歴史、地理そして国際法の観点からも、「南海諸島」と呼ばれる南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)、西沙諸島(パラセル諸島)、中沙諸島、東沙諸島(プラタス諸島)は中華民国固有の領土及び海域であり、中華民国はこの4つの諸島及び周辺の海域について、国際法上の権利をもつ。いかなる国家・地域が、いかなる理由あるいは方法によって主権を主張あるいは占拠しても、中華民国政府はこれを一切承認しない。
3、南海諸島は、中華民国が最も早く発見、命名、使用そして領土範囲に組み入れている。また、1952年4月28日に発効した「サンフランシスコ講和条約」、そして同日に調印し、同年8月5日に発効した中華民国と日本との間の「日華平和条約」、及びその他の国際法に関連する文書では、いずれも日本が占領していた南海諸島の島嶼を中華民国に返還すると確認されている。
4、中華民国は1956年、南沙諸島最大の自然島「太平島」(約0.5平方キロメートル)に軍を派遣、駐留させている。よって、太平島は、法律、経済及び地理的にも「国連海洋法公約」第121条で定めた「人間の居住及び経済的な生活を維持できる」という「島嶼」の条件を満たしており、岩ではない。いかなる国家がこれについて否定しようと、太平島の「島嶼」という地位が損なわれることはない。また、「国連海洋法公約」により、中華民国は海洋権利をもつことができる。
5、中華民国はこれまで、国連憲章やその他、争議の和平解決に関する国際法及び航行、飛行の自由などの規定を順守し、太平島などの島嶼を守ってきた。また、中華民国がこれを理由に他国・地域と軍事衝突を起こしたことはない上、各国・地域の海域、空域の航行及び飛行の自由を妨げたことはない。
6、中華民国は南シナ海の周辺国・地域に対し、「国連憲章」と「国連海洋法公約」の規定と精神を尊重し、自らを律し、南シナ海地域の和平、安定の現状を維持し、地域の航行、飛行の自由を守り、緊張を高めるいかなる措置を採ることを避け、平和的な方法で争議を解決することを呼びかける。
7、中華民国政府は5月26日「主権は我が方に、争いを棚上げし、共に和平を維持し互恵関係を築き、南シナ海の資源を共同開発」することを基本原則とした「南シナ海平和イニシアチブ」を発表した。平等、双方向の協議を基礎とし、当事者と共同で南シナ海周辺地域の和平と安定を促し、南シナ海の資源を共同で保護及び開発することを希望する。