立法院は、中国大陸内のサプライチェーンの台頭で台湾海峡両岸の産業間競争は熾烈さを増し、台湾の輸出実績にすでに深刻な打撃をもたらしており、政府はこの事態に向き合い打開策を検討すべきと指摘した。
立法院予算センターは最新の報告で、行政院は「生産力4.0発展計画」を推進し、台湾元360億元の予算を投じて産業の変革を図る考えだが、中国大陸における「赤いサプライチェーン(自前のサプライチェーン)」の台頭で台湾の産業に対する打撃はより深刻になっているとし、関連主務機関が産業政策を定める際には両岸の産業の競合関係を直視し、打開策を検討するよう求めた。
報告は、中国大陸内におけるサプライチェーンが徐々に整いつつあることで両岸の産業間競争はいっそう熾烈になっていると指摘。中国大陸による輸入代替政策の推進により、台湾の投資が輸出を増やす効果を弱めるだろうと懸念している。また、中国大陸のブランドが登場し、サプライチェーンの構造も徐々に変化しているという。
「両岸の産業間競争激化で台湾の輸出実績にすでに衝撃」と題した報告は、液晶パネルや携帯端末、化学品などで中国大陸向けの輸出が深刻に落ち込んでいると指摘。産業のレベルアップ計画の効果がさらに深まることが待たれるとしている。
報告は、HTCやASUSなどスマートフォンの最終製品業者と、メディアテックなどキーテクノロジーを持つ業者、TPKなどタッチパネル業者やアプリケーションをつなぎ合わせ、サプライチェーンを台湾でしっかりと整えることで国内の業者がキーテクノロジーを発展させられるよう促し、共同で海外の市場を獲得していくよう提案した。
報告は、「赤いサプライチェーン」の衝撃はグローバルなものだが、台湾の経済発展は対外貿易に過度に依存している他、産業は電子関連に集中、さらに中国大陸との貿易が緊密なため、「赤いサプライチェーン」の衝撃度は他の国・地域より深刻だと指摘。
「赤いサプライチェーン」台頭への対応として、報告では、かつての生産能力や規模の競争、低コストの受託生産モデルから抜け出して高規格製品と技術に特化し、「赤いサプライチェーン」との差別化につながる価値を創造するよう提案。また、新たな分野でのキーテクノロジーを持つ中堅企業の発展に注力し、グローバルなサプライチェーンにおいて取って代わることのできない地位の確立を助け、台湾の産業の独自性と特徴を生み出すことで、「赤いサプライチェーン」の脅威に対抗する必要性を指摘した。