中華民国政府で対中国大陸政策を担う、行政院大陸委員会の夏立言・主任委員が、中国大陸の一連の動きは台湾を尊重していないと批判した。訪米中の夏・主任委員は20日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで行われた全米クラスの華僑の集まりで、中華民国政府の対中国大陸政策、及び現時点での台湾海峡両岸関係について講演を行った。
夏・主任委員は、中国大陸はこのところ台湾に対して非友好的で、気分を害させる動きを続けており、あまりにも台湾を尊重していないと批判。具体的な例として、中華民国の総統府に似せた建物を目標として軍事演習、中国大陸を訪れる台湾の人たちに香港とマカオの住民のようなカード式の「台胞証(台湾の人を受け入れるためのパスポートに相当するもの)」の発行、反国家分裂法の施行、M503新航路の設置、「人民代表大会」での「国家安全法」可決、中国大陸東南部の沿岸での1000基を超えるミサイル配備などを挙げた。夏・主任委員は、これらについて、中共は実施のわずか20分間前に電話で台湾側に通知しただけだと説明した。
夏・主任委員によると、台湾海峡両岸双方の窓口機関のトップ会談は24日から26日まで、中国大陸の福建省福州で開催される。双方は、二重課税回避及び税務協力強化の協定、並びに飛行の安全と飛行適合基準に関する協力協定の二つの協定に調印する。ただ、中国大陸からの旅行者の台湾におけるトランジットについては依然として合意できていないということ。
夏・主任委員は講演の中で、「92年コンセンサス」、「一つの中国、各自解釈」の重要性とそのキーポイントにも言及。夏・主任委員は、これなければ、2008年以降、両岸関係は現在のように発展できず、両岸間の安定かつ平和的な関係も発展しなかったと指摘した。
夏・主任委員は中国大陸に対し、両岸関係の現実を直視し、台湾海峡の平和を求める台湾の民意を尊重するよう呼びかけると共に、台湾の与野党に対しても、党派を問わず、理性的な態度で政府の政策や路線を捉えるよう希望すると訴えた。夏・主任委員は、政府は両岸関係の平和と安定の維持に最大の努力をし、国民全体のために最大の福祉をもたらすせるよう取り組んでいくと述べた。