教育部では12年制国民教育の教育課程に合わせ、高校生の国語、歴史、地理、公民などの科目の課程綱領が調整された。しかし、歴史の教科書の改訂について、旧課程で「鄭(成功)氏による統治」と表記されていたものが「明鄭による統治」へ、「日本による統治」だったものが「日本植民統治」へ、さらに「台湾接収」が、「台湾光復(失われた国土の回復)」などの表記に変わったことについて、台湾主体の歴史観を持つ人々からは不満の声が上がっていた。
そして、最大野党・民進党が首長を務める県及び市の高校については、旧課程の課程綱領、教科書が引き続き使用されることとなったほか、およそ120校の高校生も反対の署名を行った。こうした中、呉思華・教育部長も譲歩し、旧課程の教科書を高校で使用することに反対はせず、将来的に大学入試の各試験の問題においても、争議を避ける方針を示した。
しかしながら、新たな課程綱領に反対する一部の高校生らは教育部への抗議を続け、23日深夜、ついに教育部へ侵入した。そのため、警察は侵入者のうち、9名の高校生、15名の大学生、6名の市民、3名の記者ら、33人を逮捕した。一方で、警察が、記者証を携帯していた3名の記者を逮捕されたことについては、メディアの取材、報道の自由を妨害するものとして疑問の声が上がっていた。教育部の陳徳華・次長は25日、当日は警察の提供した情報から判断したとして、教育部は検察や警察と協力し、一週間以内に事実を明らかにする、と述べた。
陳・次長は、「純粋に記者が取材のために立ち入ったのであれば、記者に対する告訴を取り消す。しかし、記者が侵入に加わった、さらには学生を連れて侵入したとすれば、記者は事件の関係者だ。この場合は、法に基づいて対処することとなる。」と説明した。なお、教育部の監視カメラには侵入の過程は写っていなかったため、外部から提供される写真、映像から判断するしかないという。
なお、学生を起訴することについて、陳・次長は「教育部の立場からすれば、学生に機会を与えたいとは思うが、この事件の社会に対する影響も考慮しなければならない。仮にいかなる違法行為をしても罪に問われないとなれば、それは良い教育とはいえない」と説明した。