台湾の絵本作家ジミー(幾米)の最新作『忘れてしまったキス(中国語題名:忘記親一下、日本語題名:列車に乗って(仮))』の世界感を再現した空間芸術が、日本、新潟県のJR飯山線の土市駅と越後水沢駅近くの施設に展示される。
これはジミーが、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の主催者から、長野県と新潟県の自然豊かなエリアを走るローカル線、JR飯山線をテーマにした作品を描いてほしいと依頼されて実現したもの。
「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」は新潟県で開催される世界最大級の国際芸術祭で、2000年から3年に1度行われている。今年は7月26日から9月13日までおよそ50日間に渡って開催される。
ジミーのスタッフたちは7月、当地を訪れ、地元の人たちと共に、土市駅と越後水沢駅近くの民家や駅、列車に、作品の主人公や、ストーリーを描くという。
物語は、犬と一緒に列車に乗り込んだ少年「樹」が、両親を失ったことを思い返し、美しい思い出は全て消えてしまった、と落ち込んでいたところ、沿線の樹木や田畑、そしてふくろう達に励まされたことで成長し、人生に強く向かっていこうと決意する、というストーリーとなっている。
昨年9月にこの地を訪れたジミーは、もともと温かくロマンあふれる作品を描こうと考えていた。しかし、重病に罹った母が意識を取り戻した後、ほとんどの記憶を失っていたこと、また親友の急死というショッキングな体験を通して、日常の幸せは一瞬で消えてしまうことを痛感。ジミーは作品を通じて読者に、身の回りの大切な人、物を大切することの大切さを伝えたい、と思ったという。
ジミーの代理人、墨色国際の李雨珊・総経理によると、新作は「大地の芸術祭」初の絵本作品で台湾では今月中に、日本では8月にも出版されるという。