台湾の映画監督、ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督が第68回カンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞した。カンヌ映画祭は台湾時間の25日未明、各賞の授賞式典を行い、台湾のホウ・シャオシェン監督に最優秀監督賞を授与した。作品は、ホウ監督にとって初の武侠映画、『黒衣の刺客』。武侠映画とは、武侠と呼ばれる、武術に長けた人物たちが、義理を重んじながら、流派間の争いや悪人との戦いを繰り広げるジャンルの映画。
ホウ・シャオシェン監督は国際的な映画祭でこれまでにも数多くの受賞経験がある。今回、最優秀監督賞を受けたホウ監督は、「カンヌ映画祭に来るのは7度目で、監督賞は自分にとって最大の励ましだ。映画製作は容易ではなく、特に資金集めが難しい」と述べ、スタッフや主要キャストに感謝した。
授賞式典後、中国語メディアの取材に応じたホウ監督は、「『黒衣の刺客』はストーリーがわかりにくい」との声について、「一部の人は大変美しい映画だといい、ポエムのような映画だという人もいる」と話し、映画は時には直感的なもので行間を読むような部分もあるとコメント、「ストーリーを理解しよう、詳細を理解しようとする態度で映画は見るべきでない」と独特の見解を示した。
また、資金集めの苦労について触れた際には、「資金のために商業映画を撮るつもりはないし、商業映画は観客の好みやストーリーの描写、リズムなども考慮せねばならず、実は大変難しい」と、今後も商業的な映画からは距離を置く姿勢を示した。
ホウ・シャオシェン監督は1980年代に、台湾ニューシネマの中心人物の一人として活躍、1989年の『悲情城市』ではベネチア国際映画祭のグランプリを受賞している。