フランスでのカンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされている、ホウ・シャオシェン(侯孝賢)監督の新作が現地時間の21日に上映された。台湾の国際的な映画監督、ホウ・シャオシェン監督の新作、『黒衣の刺客』はホウ監督が初めて挑んだ「武侠映画(「武侠」と呼ばれる、武術に長けた人物たちが義理を重んじながら、流派間の争いや悪人との戦いを繰り広げるジャンルの映画)」。20日には映画評論家を対象とした試写会が開かれ、概ね好評だった他、その芸術的な出来栄えはみなが認めたということ。
21日の上映会には、審査員を務めるフランスの女優、ソフィー・マルソーさんも姿を現した。また、ホウ・シャオシェン監督をはじめ、出演した、台湾の女優、スー・チー、ニッキー・シエ、男優のチャン・チェンらの他、重要な役柄を演じた、日本の妻夫木聡さんらが登場した。
ホウ・シャオシェン監督は記者会見で、日本映画では素手での格闘でスピードが速く、中華系の伝統的な武術映画は技が多いとした上で、自分は写実的な映像にこだわっていて、ようやく一本とり終えたが理想の武侠映画を生み出すため、また作りたいと意欲を示した。ただ、映画製作では資金集めがもっとも難しく、『黒衣の刺客』がヒットしなければ次の企画も難しくなると嘆きつつ、市場の好みに合わせた映画が氾濫する風潮には疑問を呈した。
主役を務めたスー・チーは、ホウ監督は空気に流れるムードにもこだわるとして、武術の技巧や感情までも心に秘めた内面的な演技を求められ苦労したと話した。また、この作品で初めて映画に出演した、台湾の国際的な女性ダンサー、許芳宜さんはホウ監督が自分を映画の世界に導いてくれたと感謝した。