馬英九・総統が国防部に対し、紀律を正し、国民の信頼を取り戻すよう命じた。陸軍航空特戦指揮部601旅団の労乃成・副隊長が先ごろ、芸能人を含む友人数人を「面会」と称して台湾北部・桃園市にある基地に引き入れ、攻撃ヘリコプターAH-64(アパッチ)を見学させ、操縦席に座らせるなどしていたことが明らかになった。この友人たちが「セレブ」と呼ばれる人たちだったこともあり、社会から強い反発の声が上がっている。
基地内の設備は軍事機密で、一般人が乗ったり写真を撮ったりすることは認められない。今回の事件はこのときの写真を芸能人の1人がソーシャルネットワーキングサービスで公開したことで発覚。また、この事件以外にも、労・副隊長の軽率な行動や、国軍内でのセクシャルハラスメントも明らかになり、国軍の深刻なイメージダウンが起きている。
総統府の陳以信・スポークスマンは6日、馬英九・総統は4日の時点で、国防部の高廣圻・部長に、全面的な見直しを命じており、国防部は7日、全軍での検討会を行うと明らかにした。陳・スポークスマンは馬・総統の話として、「国防部は全面的かつ徹底的に軍紀を正し、軍人の武徳を建て直し、『軍令は山のごとく重く、軍紀は鉄のように固い』という国軍の伝統を築くことで、社会の信頼を取り戻さねばならない。国軍の幹部がこの使命を達成するまで全力を尽くすよう希望する」と述べた。
馬・総統は、国軍兵士が階級の高低にかかわらず、一人ひとりが軍紀を守り、国と国民を愛し、人々の敬愛を受けるよう呼びかけると共に、特に階級の高い士官たちが手本となることの必要性を強調した。
国防部では7日、国軍全員が各地で同時に軍紀検討会を開くと発表。これは国軍が中国大陸から台湾に移ってきて以来初めて。「アパッチ」事件で、陸軍は5人に対する処分を発表、クラスが最も高いのは航空特戦指揮部の指揮官。当事者の労乃成・副隊長は懲戒処分、更迭となる他、検察の捜査に送られている。