国家海洋研究院台湾海洋科技研究センターの海洋研究船「海研5号」が10日夜、離島・澎湖島の西の沖で座礁、午後9時30分、沈没した。
事故発生から中華民国海軍、行政院海岸巡防署、行政院国家捜救指揮センターなどにより懸命の救援作業が行われ、船上の45人全員が救助、澎湖島内の病院に搬送された。しかし、このうち、64歳の男性研究員、30歳の女性研究員の2名は既に心拍停止となっており、病院で死亡が確認された。また、24人が負傷、このうち11人が入院している。
海洋研究船「海研5号」は、行政院環境保護署の委託を受け、海域大気の粒子状物質の観測などのため、9日に台南南部、台南市の安平港を出港、16日に帰港の予定だった。船上の45人のうち船員は18人、研究員は27人だった。
交通部の葉匡時・部長によると、離島、澎湖にある台湾港務公司馬公管制台が10日の午後5時36分に遭難信号を受信したため、交通部は午後6時に航港局に海難災害対応センターを設立した。また、10日午後8時には、行政院の毛治国・副院長が災害対応センターに到着、海岸巡防署へ向かい、捜索の進度について確認したという。
一方、国防部では海難事故発生の知らせを受けた後、中華民国国軍のヘリコプター2機、海軍の成功級フリゲート艦1隻を救援任務に当たらせたが、しけによりヘリコプターによる救助はできなかったため、午後7時14分、国防部は全面的な救援体制に引き上げ、さらにヘリコプター「S-70」2機、「EC225」2機、輸送機「C-130」1機を投入したほか、海軍も、大漢艦(救難艦)1隻、錦江級哨戒艇1隻、成功級フリゲート艦1隻を派遣した。
また、海岸巡防署も4隻を派遣、全力で救援作業にあたった。「海研5号」の乗組員が高波に飲まれ海上に投げ出され、一時は8人が行方不明と伝えられたが、11日午前0時30分、全ての行方不明者を救出した。
行政院の孫立群・スポークスマンによると、江宜樺・行政院長は事故発生の知らせを受けたのち、すぐさま交通部に中央災害対応センターを設立、複数の部会によって救援作業にあたるよう指示。江・行政院長はまた、交通部の緊急対応チームによって、事故の調査を継続して行うことを指示したほか、科技部及び衛生福利部に対して、負傷した研究員、船員の治療サポート、怪我からの回復状況について把握するよう指示したという。
「海研5号」は、科技部の前進、国家科学委員会により、2008年に国家海洋研究院に指示し、台湾南部高雄市の中信造船により、台湾元14億6000万元(日本円約52億)の巨費を投じ、委託製造された遠洋及び深海の調査が可能な海洋研究船。2011年6月に進水、2012年8月に就航、2013年1月、正式に海上での作業を開始した。船長は72.6メートル、幅15.4メートルで重量は2700トン。航続距離は1万3000カイリ。レベル8(毎秒17.2~20.7メートル)の風への耐浪性をもち、高波が発生しやすい東北の季節風が吹く期間でも作業が行えるようになり、制約を受けることが減ったため、海上での年間作業日数は250日にまで増加したという。