中国の学者が、“中国版インスタグラム”と呼ばれる写真投稿アプリ「小紅書(RED)」があれば、台湾統治は香港よりも容易になるだろう」との見解を示したことについて、台湾で対中国政策を担う大陸委員会(陸委会)の邱垂正・主任委員は29日、「小紅書が中国による統一戦線工作のツールである可能性について、以前から強い疑念を抱いており、大陸委員会としても高度な警戒を続けている。関連機関ともこの問題について継続的に協議しており、法的側面からの規制強化はすでに重要かつ不可避な段階に差し掛かっている」と述べました。
立法院(国会)内政委員会は29日、「両岸人民関係条例」部分条文改正案などを審議、邱・主任委員が招かれて関連報告を行い、答弁に立ちました。
その際、与党・民進党の黄捷・立法委員(国会議員)は、「中国・上海の国立大学である「復旦大学」の中国研究院長・張維為氏が『台湾の若者は小紅書を好んでおり、もし両岸統一が実現すれば、台湾の統治は香港よりも容易になるだろう』と発言した」と指摘しました。
邱・主任委員はこの発言に対し「中国の学者が、台湾で流行している中国版アプリを“両岸統一”と結び付けて発言したのは初めて」と述べ、「もしこのような見方が本当であれば、TikTokや小紅書といったアプリが台湾統一に向けた準備の一環として活用されている可能性も否定できず、台湾の人々はこれらのアプリの使用について警戒を高める必要があるかもしれない」と警鐘を鳴らしました。
また、各学校に対して「これらのアプリの使用についてリテラシーを高め、教育を強化する必要がある」と述べ、こういった中国版アプリのみを使用する場合のリスクについて、「個人情報が中国側に悪用される恐れがあるほか、知らないうちに“中国統一”の思想が刷り込まれる可能性もある」と述べました。
黄・立法委員が、「大陸委員会の定義において、小紅書のようなSNSは『統一戦線工作のツール』に該当するのか」と質問すると、邱・主任委員は「これまでもそういったツールである可能性について強い疑念を抱いており、関連機関が調査を行い、国民の疑問を解消したいと考えている」と説明。また、「現在これらのSNS上で、“中国統一”や“武力統一”、さらには“中華民国の主権を否定する”ような投稿が確認されており、大陸委員会としても高度な警戒を続けている」と答えました。
これに対し、黄・立法委員は、「このようなSNSに対して、大陸委員会は単に“強い疑念”があるとしか表現しないのは対応が遅すぎるのではないか。より一層の実態の把握に努めるべきだ」と指摘。これに対し、邱・主任委員は、「大陸委員会は関係する関連機関とこの問題について継続的に協議しており、今後は法的側面からの規制を検討するという、極めて重要な段階に差しかかっている」との認識を示しました。
(編集:豊田楓蓮/王淑卿/本村大資)