アメリカの半導体大手、NVIDIA(エヌビディア)の黃仁勳(ジェンスン・フアン)CEOは23日午前、プライベートジェットにて帰国し、8日間にわたる台湾訪問を終えました。フアン氏はメディアに対し、2025年はワクワクするAI(人工知能)の年になる。台湾と共にAIを世界に広めていくと語り、次は旧正月に台湾に戻ってくる予定だと明かしました。
航空機追跡ソフトのフライトレーダーによると、フアン氏の専用機は台湾を離陸後、香港に向かい、午前10時46分に着陸したということです。
フアン氏は滞在先の台北市内のホテルを出発する際、待ち構えていたファンに笑顔でサインに応じ、またメディアからのインタビューにてAIについて語りました。ファン氏はAIは今や推論し、一歩ずつ考えながら前例のない問題を解決できる「エージェンティックAI(Agentic AI)」へと進化しており、旅行の計画支援や仕事のサポート、ロボット技術の発展にも役立つと述べました。
さらにフアン氏は台湾には素晴らしいアイディアが多くあるが人手不足という課題がある。AIとロボットの力で台湾はさらに多くのチャンスを切り開くことができるとし、エヌビディアの次世代GPU「Blackwell」について、「Blackwell」は推論用に設計されており、AIに「思考」を可能にする。台湾での「Blackwell」の増産をうれしく思うと語り、エヌビディアの全てのパートナーが量産体制に入り、台湾と共にAIを世界に広げていくと意気込みました。
今回の台湾の滞在で特に印象に残ったのは「台湾の人々の温かい歓迎」だったと述べ、次回の訪問について、具体的な時期は明言しなかったものの、旧正月には必ず戻り、社員や家族と一緒に祝うと語りました。
フアン氏は5月16日に台湾に到着。同日夜は半導体受託生産で世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の魏哲家(C. C. Wei)・董事長らと会食。翌日17日には、世界マスターズゲームズの開幕式にて聖火を点灯しました。19日には台北国際コンピューター見本市(COMPUTEX TAIPEI 2025)にて基調講演を行い、エヌビディアの台湾本社を台北市の北投・士林に設立することを発表しました。20日は、電子機器受託製造サービス(EMS)世界最大手・鴻海(ホンハイ)精密工業の劉揚偉(ヤング・リウ)・董事長やIC設計最大手・聯発科技(メディアテック)の蔡力行(リック・ツァイ)CEOの講演に出席。またCOMPUTEXの会場で複数のパートナー企業を訪問。21日はCOMPUTEXにて世界各国のメディアとのQ&Aセッションを行いました。夜は30卓の大宴会を開催し、台湾のエヌビディアの社員をもてなし、最終日となる22日はエヌビディアのオフィスを訪問しました。8日間の滞在中はフアン氏の行く先々でメディアやファンが殺到し、話題となりました。
(編集:岩口敬子/中野理絵/本村大資)