台湾北部の著名な道教の廟、「行天宮」が、26日より線香を立てる香炉と供え物を置くテーブルを撤去する。環境保護と節約に基づく決定。『三国志』に登場する関羽を祀る「行天宮」は1968年に建立され、「恩主公廟」とも呼ばれる。霊験あらたかとされており、毎年延べ600万人が参拝に訪れる。
「行天宮」は、「紙銭」(真ん中に金箔が貼ってある長方形の紙。神様への奉納の一種)を燃やさないことを原則にしている。2003年には5つあった香炉を2つに、供え物を置くテーブルも25卓から15卓に減らすなど、線香と供え物の減少に積極的に取り組んできた。
しかし、信者は毎日、外国製の、化学物質を含む線香を大量に立てるため、PM2.5などの微小粒子状物質の濃度が高まり、信者たちの呼吸器疾患や心疾患のリスクが上昇。また、おこわのような供え物を持って帰らない信者が増えており、「行天宮」では一日に100個以上、旧暦の1日と15日には一日1000個以上を廃棄するなど、浪費も問題視されている。このため「行天宮」は先月、関羽の意思を伝統的な宗教儀式で聞き、同意を得たため、香炉とテーブルの撤去を決定した。信者のための厄払いの儀式などでは、引き続き台湾産の環境配慮型の線香を使用する。
台北の総本宮の他、北投と三峡にある「行天宮」も26日から香炉と供え物を置くテーブルを撤去。行政院環境保護署は、「行天宮」のような、指標となる宗教機関が自発的に香炉を廃止することは、他の神社仏閣の模範になるとして賛同。
しかし、「行天宮」付近で線香と供え物を売る店と屋台は影響を受ける。年間で台湾元1億元(日本円約3億5000万円)の商機があったといい、今後関係機関の支援策が必要となる。