中国国務院報道弁公室は最近「新時代の中国の国家安全保障」と題する白書を発表し、「統一」を「核心的利益」と位置付けました。核心的利益とは、国家主権、安全保障、領土の保全および自国の開発に関する中国の国家利益を指す政治的な用語です。台湾に関与する部分では、一つの中国原則と九二共識(92年コンセンサス)を堅持し、平和的統一の基礎を強化し、台湾独立への反対を重ねて表明し、武力行使を放棄しない立場を改めて表明しました。
これについて台湾の国家安全局の黄明昭・副局長は、白書全体は約2万2千字あり、台湾に関する記述は第3章「国家の領土の完全性と海洋権益の維持」に集中しており、約300字余りだと説明。内容はこれまでの中国側の主張と一致しており、政策に軟化や転換の兆しは見られず、対外的な立場の再表明に過ぎず、実質的な変化はないと指摘しました。
一方、スイス・ジュネーブでの米中貿易協議終了後、アメリカのトランプ大統領はホワイトハウスでの記者会見において、「協議は順調だった」と述べ、「統一(Unification)と平和(Peace)にも非常に有益だ」と発言したことについて、台湾の対中国大陸政策を担う大陸委員会の沈有忠・副主任委員は、「統一」や「平和」といった言葉が出たからといって、過度な解釈をするべきではないと述べました。
沈(しん)・副主任委員は、「トランプ大統領が突如『Unification』と『Peace』という言葉を用いたことについて、我々は内部で検討を行い、専門家やアメリカのシンクタンクの意見を参考にした結果、発言の全文を文脈から切り離して解釈すべきではないと判断した。トランプ大統領の発言は主に米中の関税および貿易問題に焦点を当てており、地政学的な内容や台湾海峡の問題には言及していなかった。このため、彼の言う『統一(Unification)』を将来の両岸関係に関する何らかの立場表明と拡大解釈すべきではない。引き続き冷静に情勢を見守る必要がある」と語りました。
なお、中国の習近平・国家主席は最近、ベトナム、マレーシア、カンボジアの東南アジア3カ国を歴訪し、東南アジア諸国連合(ASEAN)との経済・貿易協力の強化を強調しました。
これについて黄・副局長は、中国側は米中貿易摩擦を機会に、高い関税の影響を受けている国々との連携を強め、対米制裁の姿勢を強めていると分析しました。一方、大陸委員会の沈(しん)・副主任委員も、中国は「グローバルサウス(Global South)」という協力ネットワークの構築を図り、米中貿易戦争の圧力を分散させようとしていると述べました。沈(しん)・副主任委員によりますと、最近では中国製品にスペイン語の表示が見られるようになり、スペイン語圏市場、特に中南米の新興市場への進出を狙っている兆しがあるため、大陸委員会は関連機関と連携して注意深く状況を監視し、台湾の外交・経済貿易への潜在的影響を評価しているということです。
(編集:呂学臨/王淑卿/本村大資)