韓国銀行(中央銀行)の李昌鏑(イ・チャンヨン)総裁が6日、韓国ウォンを含むアジア通貨の上昇は、アメリカ政府がアジア諸国に通貨切り上げを求める圧力をかけていることもあるが、同時に市場がアメリカと中国が貿易協議を再開する可能性があると期待していることが一因であると述べました。
これをうけ外交部(外務省)は、今回、台湾はアメリカとの関税交渉において為替レートの問題は含まれていなかったと指摘しました。また、台湾の中央銀行は今回の関税交渉には参加しておらず、台湾とアメリカの経済貿易作業部会にも参加していないと説明。韓国銀行の総裁は、市場の心理がおそらく一部のアジア諸国のレートを変動させたとしているが、一部の国内報道はそれを過度に解釈していると述べました。
行政院経済貿易交渉オフィスは5日、行政院(内閣)が2024年11月に台米経済貿易作業部会を設置して以来、鄭麗君・副院長(副首相)が召集人を務めているが、チームのメンバーには中央銀行は含まれておらず、鄭・副院長率いる対米交渉メンバーにも中央銀行は含まれていないと説明しました。
また、多くのメディアはこの韓国メディアの報道を引用し、韓国銀行の李(イ)総裁が、アメリカ政府がアジア諸国に対し通貨切り上げの圧力をかけていることを認めたと報じました。
しかし、台湾のシンクタンク、中華経済研究院(中経院)の連賢明・院長はフェイスブックページに、中経院の同僚が原文を比較したところ、新聞の見出しとは一部食い違いがあると投稿。自身も為替レートは今回の関税交渉の議題には入っていないと信じているが、だからと言って今後に議題に上がらないということではないと書き込みました。
連賢明・院長は、中経院の同僚が翻訳した原文によると、「アメリカは我が国だけでなく、日本、台湾、マレーシアと言ったアジア諸国とも為替レート問題について協議している。こうした噂が広まるにつて、市場には何かが起こるという期待が広がっていると思う。現在、アメリカが為替レート問題で何を求めているのか、今後どのように進めていくのか、アジア諸国にどのような共通要求を出すのか、それとも個別に要求を出すのかははっきりしていない。企画財政部では実務レベルで意思疎通を図っており、数週間以内に状況はより明確になるはずだが、アメリカの具体的な要求についてはまだよくわかっていない」という内容であったと指摘。
連賢明・院長は、記事には「アメリカが本当にドル高を望んでいるのか、ドル安を望んでいるのかよくわからない」とあり、仮にアメリカがすべての国に通貨切り上げの圧力をかけているとしたらアメリカの意図が分からないわけがない。
次に、近隣のアジア諸国の中で、台湾だけが急速かつ大幅に上昇している。仮にアジア諸国が本当に同じようなメッセージを受け取っているとしても、台湾だけがドル高を必要としているとは考えにくい。そして日本からも通貨切り上げを求められるニュースは出てきていないと分析しました。
(編集:中野理絵/許芳瑋/本村大資)