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「湾生」日本人女性が紛失した思い出のバッグ、7年ぶりに手元へ戻る

  • 05 May, 2025
  • 本村 大資
「湾生」日本人女性が紛失した思い出のバッグ、7年ぶりに手元へ戻る
「湾生」と呼ばれる台湾生まれの日本人女性が2018年に台湾で紛失した思い出のバッグ返還セレモニーが北部・台北市の台北城市科技大学で行われた(写真:Rti)

「湾生」と呼ばれる台湾生まれの日本人弁護士、伊東香保さんが2018年に北部・台北で紛失した父親の刺繍入りバッグが2020年6月に見つかった。そのバッグの引き取りに協力した台北市の台北城市科技大学で5日、「世代を超えた記憶の交差点」と銘打ったバッグ返還セレモニーが行われ、日本から伊東さんの妹で、2018年の訪台にも同行した伊東優里さん(兵庫県明石市在住)が出席した。

伊東香保さんは2018年に優里さんら兄妹とともに台湾を訪問した際、日本から持参した父親の刺繍入りバッグをタクシーに置き忘れてしまった。気付いた伊東さんは直ちに警察に届けたもののバッグは見つからず、そのまま日本に帰国。バッグは日本統治時代の1940年代に台北在住だった伊東さんの父親が、入院先の病院でリハビリの一環として始めた刺繍を施したものだった。

ところが2年後の2020年6月にバッグが見つかったと、台湾の警察廣播電臺(警察ラジオ放送局)から台北城市科技大学応用外国語学科・日本語研究センターの陳乃慈・主任に連絡が入る。警察によるとバッグに陳・主任と伊東さんの名刺が入っていたことから、台北城市科技大学に連絡したという。

名刺は伊東さんが2018年に台北市内で行われたイベントに参加した際、その場に居合わせた陳・主任と交換したもので、連絡を受けた陳・主任は直ちに伊東さんに連絡をとり、本人の許可を得た上で、2020年6月24日に同校の学生だった蕭博允さんが代理で受け取り持ち帰った。

5日に台北城市科技大学で行われた返還セレモニーには伊東優里さん、伊東さんと旧知の写真家で台湾在住の五味稚子さんが立ち会い、台北城市科技大学からは馮美瑜・学長、応用外国語学科の陳乃慈・主任、藤原真也教授に加え、同校を卒業した蕭博允さんや日本語を学ぶ学生らも出席。伊東さんは台北城市科技大学の陳・主任から思い出のバッグを受け取った。

陳・主任は、「バッグは7年の時を経て、持ち主である伊東さんとともに日本に戻るが、台湾と日本の友情の記憶はここに残る」と述べた。

一方、伊東さんは、「バッグを失くしたときは、仕方ないと諦めた一方で、父親の生まれてから亡くなるまでの人生は台湾の方が長かった。そのため、バッグはきっと台湾に残りたかったんだと、家族みんなで納得した」とバッグを紛失した際の心境について語った。

最後に伊東さんは、思い出のバッグが戻るきっかけとなった台北城市科技大学、台湾と日本の友情に感謝を示すとともに、「曾祖父の代から台湾と関わりを持っていたため、自分たち家族にとってはある意味、台湾の方が日本よりも心をリラックスさせてくれる土地だ」として、これからも台湾との繋がりを続けるためにも元気でいたいと締めくくった。 

(編集:本村大資)


 

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