行政院(内閣)は閣議で規模4,100億台湾元(約6,084億日本円)の「強化安全韌性特別條例(国土安全保障強靭性強化特別条例)」草案を通過させました。卓栄泰‧行政院長(首相)は28日に立法院(国会)を訪れ、与野党の立法院党団(国会議員団)に支持を求めました。卓栄泰‧行政院長は、この特別条例は世界貿易秩序の再編に対応するだけでなく、産業支援、雇用安定、民生保護、強靭性強化という4つの主軸を含むと改めて説明し、与野党に支持を訴え、共に「民生を守り、台湾を護る」ことに期待を示しました。
行政院院会は24日、規模4,100億台湾元の「因應國際情勢強化經濟社會及國土安全韌性特別條例(経済社会および国土安全保障の強靭性を強化する特別条例)」草案を通過しましたが、野党はこれに多くの疑問を持っています。卓栄泰‧行政院長は与野党の立法院党団に内容を理解してもらうため、28日に李慧芝‧報道官と龔明鑫‧秘書長を率いて各党団に直接説明を行い、この草案が最短時間で可決されることを期待しています。
卓‧院長はまず与党‧民進党団を訪れ、特別予算の編成方法と用途について説明。今回はアメリカの関税貿易と世界貿易秩序の再編に対応するだけでなく、政府は昨年度の税収余剰分を活用し、産業支援、雇用安定、民生保護、強靭性強化という四つの主軸に充て、それらを統合してこの草案を提出したと述べました。これは第一段階であり、今後関税交渉が始まれば、関連する計画も準備されます。政府による産業振興策は、日本など周辺諸国とほぼ同様のものになるということです。
一方、野党は4100億元の特別条例に台湾電力公司(略称:台電)への1000億元(約4,345億日本円)の補助金が含まれていることに疑問を呈しており、これは立法院によって既に削除された台湾電力への補助金を特別予算に再び組み込むものであり、密かに物事を進めるようなやり方だとして、反対の意向を表明しています。
これに対して、卓‧院長は、政府部門が産業界との対話で、電気料金の安定を求める声を繰り返し聞いてきたこと、関税の影響に加えて電気料金の調整によるさらなる負担を避けるためにも、台湾電力の財政を健全化し、電気料金の変動による影響を抑えることが物価の安定につながり、産業界にも貢献するとの考えを改めて説明し、野党に対して理解と支持を求めました。
民進党党団の呉思瑤‧幹事長は、民進党は重要な架け橋としての役割を果たし、特別条例と予算に関する説明を強化していくと述べました。
野党‧国民党党団の傅崐萁‧総招集人は、行政院が予算の凍結解除案を提出して検討することを喜んで歓迎する。解除すべき凍結については、迅速に行政院を支持すると述べるとともに、これまでの税収超過分に関して国民への現金支給を求める立場を改めて主張しました。
野党‧台湾民衆党党団の黃國昌‧総招集人は、行政院がこれまで関税の影響に関する完全な評価を提出しておらず、断片的な情報のみを提供している。これでは特別条例を審議する根拠にはならないと批判しています。
(編集:許芳瑋/本村大資)