台湾の人々は詐欺に対して強い憤りを抱いています。
賴清德・総統は17日、「2025詐欺対策フォーラム」に出席し、挨拶の中で、政府が詐欺撲滅のため取り組んでいる対策について、「組織、法制度、政策及び予算面」の4つの分野から具体的に説明しました。
賴・総統はまず、組織面について、「行政院が『詐欺撲滅オフィス』を設立し、各省庁との連携を図るとともに、地方自治体や民間とも協力して、詐欺防止の体制を構築している」と発表。
次に法制度面では、「刑罰の厳格化、詐欺の発生源の管理と抑止、さらに被害者への実質的な支援に関する項目が盛り込まれている『新・詐欺撲滅4法』を可決する。
政策面では、『詐欺対策基本方針』をバージョンアップし、詐欺を『見抜く』、『防ぐ』、『阻止する』、『処罰する』に加えて『予防する』を新たに加えた。予防の主な方法としては、インターネットや広告プラットフォームにおける広告主の実名登録制の導入、人工知能(AI)や先端技術を活用し、年間約5,000件から1万件の詐欺広告をSNS上で検出・排除、さらに、仮想通貨のトラッキング体制を確立し、詐欺による資金流出を未然に防ぐ仕組みを構築していく。
最後に予算面に関しては、今年度、新たに73億台湾元(約320億円)を投入し、詐欺撲滅を強化する」と明らかにしました。
賴・総統はまた、「毎年報告される詐欺対策の成果は、実際には氷山の一角にすぎない可能性がある」と指摘。「これまでのように『詐欺対策の成果が前年より進歩した』という発表にとどまるのではなく、日々の実態を公開すべきだ。そのため、行政院のチーム、特に第一線で対応している司法関係者に対し、『詐欺撲滅ダッシュボード』の設置を奨励した。これは、毎日発生した詐欺事件の件数や被害金額を可視化し、対策の目標とするだけでなく、更に、国民に詐欺の過程を理解してもらい、『詐欺を見抜く力』を高めることを目的としている」と述べました。
賴・総統は更に、「高度なテクノロジー時代において、詐欺はすでに一つの“エコシステム”を形成しており、単独で存在するものではなく、しばしば、不正資金、銃器、薬物を扱う組織によって行われている」と指摘し、「政府は『正義は最後必ず悪に勝つ』という強い信念を持って、詐欺撲滅に取り組まなければならない」と強調し、次のように述べています。
賴・総統は、「私たちが取り締まるべきなのは、背後にいる犯罪組織だ。現金やキャッシュカードを受け取る『受け子』や、だまし取ったキャッシュカード等を使ってATM等からお金を引き出す『出し子』を見つけたからといって、そこで捜査を打ち切ってはいけない。被害がさらに拡大する前に、背後にどんな犯罪組織がいるのかを徹底的に調べるべきだ。つまり、『受け子』や『出し子』を捕まえるだけでなく、その背後にある犯罪組織の摘発こそが、本当の目標であるべきなのだ」と指摘。また、「詐欺事件の一つ一つの数字の背後には、被害を受けた個人や家庭、そして社会全体への深刻な影響がある」と述べ、地蔵菩薩に関する代表的な経典『地蔵経』の『地獄は空にならない限り、成仏しないことを誓う』という一節を引用し、取り締まりにあたる関係機関に対し、被害者に寄り添う慈悲の心を持ち続けるよう奨励、「詐欺が根絶されるまで、決して努力を止めてはならない」と強調しました。
賴・総統は更に、現在発生している詐欺事件の約7割が「投資・資産運用」を名目とした詐欺であると指摘。国民に対し、「疑わしい案件に直面した際には『立ち止まり、よく聞き、しっかり確認する』ことが大切だ」と訴え、特に、口座情報の提供や送金を求められた場合には、「詐欺対策ダッシュボード」で同様の事例がないかを確認するか、または警察や検察機関に問い合わせるよう、注意を呼びかけました。また、詐欺グループに関与している人々に対しては、『君子、財を愛す。これを取るに道あり』(君子愛財、取之有道)」という禅宗の言葉を引用し、悪に加担せず、一日も早く関係を断ち切った上で、政府機関に通報するよう訴えました。
(編集:豊田楓蓮/王淑卿/本村大資)